せびろ【背広】

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数え方(読み方)・単位

一着 (いっちゃく) 、一揃い (ひとそろい)

解説

三つ揃いのスーツは「揃い」でも数えます。商品としては「点」でも数えます。
⇒スーツ(suit)
⇒服 (ふく)

意味

男子の平常用洋服。折り襟で腰までの丈の上着と共布で作ったズボンを一組みとしたもの。本来はチョッキを組ませた三つ揃いであるが、現在では略すことが多く、背広上下、背広服、スーツなどと呼ぶ。打ち合わせはシングルとダブルとがあり、襟はきざみのはいった並襟と、下襟がとがった剣襟とがある。
 
*絵入智慧の環〔1870〕〈古川政雄〉「まんとる せびろ ちょっき」
*浮雲〔1887〜89〕〈二葉亭四迷〉一・一「背皺よると枕詞の付く『スコッチ』の背広にゴリゴリするほどの牛の毛皮靴」
*女子参政蜃中楼〔1889〕〈広津柳浪〉五「其人を見るに、〈略〉セビロの服を穿ちて中形の帽子を手にせる商家の手代らしく」
*東京風俗志〔1899〜1902〕〈平出鏗二郎〉中・七・服装「『フロック』『モーニング』背広(セビロ)共に其初めは襟あきを濶うし、『ズボン』も細かりしが」

語源

①慶応三年(一八六七)の福沢諭吉「西洋衣食住」に「丸羽織 ビジネスコート」とあり、図とともに「丸羽織は一体職人などの衣服なれども高貴の人にても自宅に居るときか又は外へ出るときにも着ることあり」の説明がみえ、現在の背広にあたるものと思われる。漢字表記例は明治六年(一八七三)「改服 裁縫初心伝」の平服図の注記に「俗に脊広ヒダ取と云」と記されているのが古い。
 
②語源については、(イ)背筋に縫目がないところから背広の義、(ロ)英語sack coat の訳語でゆったりした上衣の意、(ハ)市民服の意の英語civil clothes から、(ニ)セビロ服を売りだした店のあるロンドンの高級洋服店街Savile Row から、(ホ)良質の羊毛・服地の産地Cheviot から、などの説があるが、これまで(ハ)が有力とされてきた。これに加えて、杉本つとむは「増訂華英通語」に「vest. 背心 ウワギ」「new waistcoat. 新背心」など、英語の中国語訳に「背」の字が使用される(ただし、sack coat の訳はみえない)ことに注目し、「背広」は中国に由来するとの仮説を提示している。

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