えもの【獲物/得物】

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数え方(読み方)・単位

一匹(いっぴき)、一頭(いっとう)

解説

魚の場合はその形に応じて「尾 (び) 」「本」などでも数えます。

意味

①獲得したもの。

(1)人が漁猟でとったり、動物が食い物として捕ったりする魚や鳥獣など。また、それを捕ること。
*観智院本類聚名義抄〔1241〕「獲 エモノ」
*雪玉集〔1537頃か〕六「知らじかしただいたづらに狩人の熊にもあらぬえものありとも」
*天草本伊曾保物語〔1593〕狼と子を持った女の事「ヲウカメ イッピキ アルヒ yemonoga (エモノガ) ナウテ ウエニ ヲヨウデ」
*俳諧・新類題発句集〔1793〕冬「獲(えもの)せし夜興の犬の喘ぎかな〈花県〉」
・戦争や勝負事で相手からかちとったもの。戦利品。
*幸若・烏帽子折〔室町末〜近世初〕「さん候、え物はいくらも候。八十四のかはごを切戸の脇につんだるは、ただたからの山のごとし」
*春窓綺話〔1884〕〈高田早苗・坪内逍遙・天野為之訳〉九「此の日ロデリックは南方の勍敵を討って凱旋し、意気揚々として捷(エモノ)を載せて回へれり」

(2)あることから得た有益なものごと。収穫。
*武蔵野〔1898〕〈国木田独歩〉五「どの路でも足の向く方へゆけば必ず其処(そこ)に見るべく、聞くべく、感ずべき獲物(エモノ)がある」
*大塩平八郎〔1914〕〈森鴎外〉附録「万記録は所謂風説が大部分を占めてゐるので、其中から史実を選み出さうとして見ると、獲ものは頗乏しい」

②得意とするものごと。

(1)もっとも得意とするわざ。特に熟練しているものごと。得手物(えてもの)。
*玉塵抄〔1563〕五「僧〓はえかきなり。ことに龍がえものぞ」
*虎寛本狂言・腹不立〔室町末〜近世初〕「左様の稚(おさな)い御方に御指南を申すは私の得物で御座る」
*評判記・難野郎古たたみ〔1666頃〕花井才三郎「わかしゅのいきのきゃうげん獲物ならは心中もそのことくとおほしめし候へ」
*浮世草子・好色一代男〔1682〕六・二「あかず酒飲みて、歌に声よく、琴の弾手、三味線は得もの」

(2)自分の得手(えて)とする武器、道具。また、武器、道具を広くいうのにも用いる。
*浄瑠璃・用明天皇職人鑑〔1705〕五「五人が五人に分け分かって、ゑものゑものにわたりあひ、半時ばかりぞたたかひける」
*読本・椿説弓張月〔1807〜11〕続・三九回「紫巾官に後れじとて、おのおの械器(エモノ)を引提(ひっさ)げつつ、喘々(あへぎあへぎ)ぞ追ひ続きぬ」
*いさなとり〔1891〕〈幸田露伴〉七三「茂助の怪我も利器(エモノ)で斬られたるにも突かれたるものにもあらざれば」

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