えり【襟/衿/領】

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数え方(読み方)・単位

一枚(いちまい)、一掛(ひとかけ)

解説

「掛け」は(着物の)掛け襟を数える語です。

意味

①衣服の、くびの回りに当たる部分。また、その部分につけるきれ。古くは「ころものくび」「きぬのくび」といった。
*梁塵秘抄〔1179頃〕二・四句神歌「此のごろみやこにはやるもの、肩当腰当烏帽子とどめ、ゑりの竪(た)つかた、さび烏帽子」

*天正本節用集〔1590〕「領 エリ 衣領」
*仮名草子・東海道名所記〔1659〜61頃〕六「この馬場にさしかかりて、小袖の衣裏(ヱリ)、裙(すそ)の乱れをつくろひ」
*浮世草子・好色二代男〔1684〕一・三「年の比は、廿七斗(ばかり)の男、梅がえしの布子、下にびろうどの裙(ヱリ)をかけて」

②くびのうしろの部分。くびの、髪と皮膚との境目のあたり。えりくび。うなじ。
*談義本・風流志道軒伝〔1763〕三「または文なんど書ける躰、ゑりの白きに、いたづら髪のふりかかれるもおくゆかしく」
*洒落本・仕懸文庫〔1791〕二「子ども屋へくる女かみゆひの外に、ゑりばかりこしらへにくる女がある。それで渡世になるのさ」

③上着、下着を重ねて、一つに前を合わせること。たとえば、三枚を一つに重ね合わせるのを「三つえり」というたぐい。
*宗五大草紙〔1528〕衣装の事「三つえりに物を着候事、児、若衆などえりを色えて、うつくしく見せ候はんためにて候。又年寄はおほく着候はん為也」
*わらんべ草〔1660〕一「地うたひも、いくつ小袖をかさねきるとも、ゑりは一つゑりなり」
*随筆・貞丈雑記〔1784頃〕三・小袖類之部「二ツゑりに着る、三ツゑりに着ると云は着物の前を合するに下着と上着を別々に合するは常の事なり。上着下着を重ねて一ツに前を合するを幾ツゑりと云なり」

④掛け蒲団の、寝る人の首に触れる部分にかける細長い布。

⑤能装束の一つ。衣類には直接掛けないで、着付けの下に見えるように巻き付ける。白、紅、褐、浅黄、萌葱(もえぎ)、紺、縹(はなだ)などの色があり、曲柄や登場人物の年齢などによって使い分ける。紅の色を「いろ入り」といい、その他の色をすべて「いろなし」という。

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