おんがく【音楽】

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数え方(読み方)・単位

一曲(いっきょく)

解説

⇒きょく(曲)

意味

①音による芸術。音の強弱、長短、高低、音色、和音などを一定の方法によって取捨選択して組み合わせ、人の理性や感情にうったえるもの。人声による声楽、楽器による器楽とに大別される。日本では、古くは天上の楽や、それを模した法会の楽をいった。

*続日本紀‐天平勝宝四年〔752〕四月乙酉「盧舎那大仏像成、始開眼。〈略〉雅楽寮及諸寺種々音楽並咸来集」
*今昔物語集〔1120頃か〕一五・三「只今、更に音楽有る事无し。此れは何に置ふ事ぞ、と。師の云く、我れ、心神変わず、正しく音楽の音有り」
*米沢本沙石集〔1283〕四・六「空の中に音楽(ヲンガク)聞え、浪の上に紫雲たなびきて目出かりければ」
*御伽草子・あしびき〔室町中〕「最後終焉の夕、音楽空に奏し、沈檀室に薫じて、まのあたり三尊の来迎にあづかりける」
*謡曲・羽衣〔1540頃〕「虚空に花降り、音楽聞こえ、霊香四方に薫ず」
*集義和書〔1676頃〕一五「たとへば音楽(ヲンガク)を学ぶがごとし。淫声は、しらざれども、聞ておもしろし。正楽は、しらざる人、聞ておもしろからず、学び得て後面白き所あり」
*歌謡・淋敷座之慰〔1676〕愚意「色々の草紙を見て、心をなぐさむ中に、我曾而、音楽・不調法なるに依て」
*黄昏に〔1912〕〈土岐哀果〉街と家と「ぼろ靴が泥を喰ひたる気味悪さ。ぬかるみを来て、音楽(オンガク)をきく」

②雅楽の器楽合奏。
*御堂関白記‐寛仁二年〔1018〕四月六日「可詣賀茂参定雑事、停東遊、以音楽可奉、自余如常」
*公事根源〔1422頃〕三月・石清水臨時祭「試楽は調楽ともいへり。まづ音楽を整へず試むる心なり」
*十善法語〔1775〕五「音楽管絃も比するところならず」
*譬喩尽〔1786〕二「音楽(ヲンガク)と管弦とは違へり箏琵琶和琴の三絃を加へざるを音楽といふ」

③芝居の囃子(はやし)の一種。笛、篳篥(ひちりき)、太鼓入りで人物の登場、退場に用いるもの。
*歌舞伎・暫〔1714〕「右の見得にて、舞台よき所迄押出し、留ると、鈴(れい)のいったる音楽になり」
*歌舞伎・白縫譚〔1853〕二幕「『立て立て』『畏(かしこま)りました』ト音楽(オンガク)にて皆々上下(かみしも)へはひる」

語源・由来

①「音」は歌声、「楽」は楽器の発する音。隋書・唐書の志に「音楽」と見えるが、実際に正楽の意で総称として多用されたのは「楽」であった。古代の日本でも「音楽」は「楽」よりさらに狭義で、仏教の聖衆が謡い奏でる天上の楽、あるいは天上の楽を地上に模して荘厳しようとする法会の舞楽の意で用いられ、「音声楽(おんじょうがく)」が和文脈にみえるのに対して主に漢文脈にみえる。能楽で、天上の楽を「音楽」と謡い、歌舞伎で御殿や神社寺院、貴人の出入りに用いる囃子を「音楽」と呼ぶのもその流れであろう。

②「今昔物語集」などの説話では天上の楽や法会の楽をいう「音楽」に対して世俗のそれを「管絃」といって区別している。

③明治初期でも宮内庁は雅楽の意に限定しており、「音楽」があらゆる音楽活動や形態の総称となったのは明治一〇年代以降で、明治一二年(一八七九)には文部省の訓令によって音楽取調掛が創設され国立機関の名に挙げられた。

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