おたまじゃくし/オタマジャクシ【お玉杓子】

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数え方(読み方)・単位

①一本(いっぽん)
②一匹(いっぴき)

解説

①汁物を配膳 (はいぜん) する際に用いる道具は「本」で数えます。

②カエルの子は「匹」で数えます。
⇒蛙(かえる)

意味

①柄のついたまるい汁杓子。おたがじゃくし。
*洒落本・一騎夜行〔1780〕一・大通俗を謗て樽を枕とす「襦袢の干したが幽霊に見へ、を玉杓子(ヲタマシャクシ)が見越入道に成る」
*土〔1910〕〈長塚節〉一「ほうっと白く蒸気の立つ鍋の中をお玉杓子で二三度掻き立てておつぎは又蓋をした」
*毛布譚〔1970〕〈柏原兵三〉「鍋はおろかお玉じゃくしや皿に至るまで」
 
②蛙の幼生。卵から孵化して間もなく、黒灰色で、まだ四肢がなく、鰓(えら)で水呼吸し、長い尾を振って泳ぎまわる時期をいう。おたがじゃくし。蛙子(かえるこ)。《季・春》
*俳諧・俳諧歳時記〔1803〕上・二月「蛙 蝌斗(オタマジャクシ) 山蛤」
*随筆・足薪翁記〔1842頃〕三「蛙の子をおたま杓子といふは、御多賀杓子の訛なりといふ事、或人の随筆にあり」
*重訂本草綱目啓蒙〔1847〕三八・湿生「蝌斗〈略〉ヲタマジャクシ 江戸」
 
③(形が(2)に似ていることから)楽譜の音符の俗称。また、音楽一般のことを俗にいう。
*蛙〔1938〕〈草野心平〉さようなら一万年「楽符のおたまじゃくしの群が一列」
*父の詫び状〔1978〕〈向田邦子〉お八つの時間「わが『お八つの交響楽』を作れたらどんなに楽しかろうと思うのだが、私はおたまじゃくしがまるで駄目なのである」
 
④(「!」の形から)「エクスクラメーションマーク」の俗称。
*春迺屋漫筆〔1891〕〈坪内逍遙〉をかし・三三「!(オタマジャクシ)を用ひて文章を泥川の波だてる如くにしたりき」

語源

①②の意は、江戸時代に江戸を中心に生じたもの。古くは「かへるこ(蛙子)」。①の調理道具との形態上の類似による連想によって命名されたと考えられ、その分布は、北海道、関東、中国、四国に集中し、東北、九州ではまばらである。
 
②「蛙の子」に由来する命名法による語形は、「カエルノコ」「ガエラゴ」「ゲーラゴ」「ゲーノコ」「ビキノコ」など全国的にかなり多い。しかし、「蛙」と「おたまじゃくし」とは形態、生息場所にかなり相違があるところから、共通語の「かえる」と「おたまじゃくし」のように、それらの語形が対応しない地域も多く認められる。
 
③「おたがじゃくし」の転ともいわれるが、『日本言語地図』によれば、オタガジャクシという地点は和歌山と滋賀県の各一地点のみである。

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