はらまき【腹巻き】

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数え方(読み方)・単位

一枚(いちまい)

解説

意味

①腹に巻く幅の広い布。また、綿布や毛糸で作った筒形のもの。冷えを防ぐためなどに用いる。はらおび。
*思出の記〔1900〜01〕〈徳富蘆花〉三・二三「六円の金は、古帯にくるむで、腹巻にし」
  
②鎧(よろい)の一種。騎射用の大形の草摺(くさずり)の鎧に対して、草摺を細分した、徒歩用の軽快で小形の様式をいう。近世では、腹に巻いて背で引き合わせる様式をいう。ときにその背のすきまをふさぐ防御具を付設して背板(せいた)とも臆病板(おくびょういた)ともいう。腹巻鎧。

*色葉字類抄〔1177〜81〕「腹巻 ハラマキ 兵具也」
*平家物語〔13C前〕一・殿上闇討「薄青のかり衣のしたに萌黄威の腹巻をき」
*太平記〔14C後〕三・笠置軍事「鎧の下に、腹巻(ハラマキ)か〓歟を重ねて着たれば」
*読本・昔話稲妻表紙〔1806〕一・四「梅津嘉門萌黄薫の腹巻(ハラマキ)のうへに、金紗の道服を着し」

語源

①近世以降、背中で引き合わせる形式の鎧を腹巻、右脇で引き合わせるものを胴丸と呼ぶが、鎌倉期以前の文献には「胴丸(どうまる)」の確実な例はなく、「腹巻」のみが用いられる。但し、いわゆる胴丸が「平治物語絵巻」などの古画に見えるのに対して、背面引き合わせの腹巻は、鎌倉以前のものは現存せず、絵巻などにも見えない。
 
②鎌倉後期の「土蜘蛛草紙」に、腹巻着用の図として胴丸が描かれていることなどから、鎌倉・室町初期以前には、右脇引き合わせの胴丸は腹巻と称していたらしい。背面引き合わせの腹巻は、「日蓮遺文‐種々御振舞御書」(一二七五)の記事や、鎌倉末の「拾遺古徳伝」などの描写に見える。いわゆる腹巻は胴丸同様、当初は袖・冑を有さず、「杏葉(ぎょうよう)」と呼ばれる鉄板で肩上を覆うばかりであったが、室町期になると、袖・冑を併用するようになり、杏葉は栴檀(せんだん)・鳩尾(きゅうび)の板の代わりとなった。

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