数え方(読み方)・単位
一本(いっぽん)
解説
細長い管も、刀の刃につけた溝も「本」で数えます。
意味
①水を導き送る長い管。竹や木、あるいは土を固めて作った。下樋、懸け樋、埋み樋などがある。とい。
*蜻蛉日記〔974頃〕中・天祿元年「水やりたるひのうへに、をしきどもすゑて」
*太平記〔14C後〕六・赤坂合戦事「南の山の奥より、地の底に樋(ヒ)を伏せ、城中へ水を懸け入るる歟と覚候」
②せきとめた水の出入り口に設けた戸。開閉させて水を出入させるもの。ひのくち。また、単に水をさえぎるためのしきりの類にもいう。
*日本書紀〔720〕武烈五年六月(図書寮本訓)「人をして塘(いけ)の(ヒ)に伏せ入ら使む」
*農業全書〔1697〕一・七「若川なき所は塘を築、閘(ヒ)をふせ」
*浄瑠璃・心中天の網島〔1720〕橋尽し「ながれみなぎるひのうへをいご、所と着にける」
③物の面に設けた細長い溝。
*落窪物語〔10C後〕二「はひよりて、遣戸の方のひにそへて、えさぐらすまじくさしさしさりぬ」