ひとえ【一重/単】

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数え方(読み方)・単位

一枚(いちまい)

解説

広く着物(きもの)について、羽織・袴 (はかま) ・浴衣 (ゆかた) ・襦袢 (じゅばん) ・袷 (あわせ) ・重 (かさ) ねなど、着物類はもっぱら「枚」で数えます。「着」でも数えますが、一揃 (ひとそろ) いの衣装や装束をまとめて数える場合に用います。「晴れ着1着」
⇒きもの(着物)

意味

①そのものだけで、重なっていないこと。また、そのもの。ひとひら。一枚。
*日本書紀〔720〕天智一〇年一二月・歌謡「臣の子の八重の紐解く比騰陛(ヒトへ)だにいまだ解かねば御子の紐解く」
*源氏物語〔1001〜14頃〕蛍「より給ひて、御几帳の帷子を、ひとへうちかけ給ふに」
*とりかへばや物語〔12C後〕上「夜のころもも、人めにはうちかはしながら、かたみにひとへのへだてはみなありて」
*名語記〔1275〕二「ひとへ、ふたへといへるは、一重、二重ときこえたり。重に、へといふよみのある歟、如何。これは重の義なれども、へはへげの反歟とおぼえ侍べり。紙や綿などをへぐ、心地也」
 
②花弁が一枚ずつになっていて、重ならないこと。単弁。
*源氏物語〔1001〜14頃〕幻「ほかの花は、ひとへ散りて、八重さく花ざくら、さかり過ぎて」
*詞花和歌集〔1151頃〕春・四五「一重だにあかぬ匂ひをいとどしく八重かさなれる山吹の花〈藤原長能〉」
*小学読本〔1874〕〈榊原・那珂・稲垣〉三「桃の類多しといへども、花淡紅にして単辨(ヒトヘ)なる者、実を結ぶ事多く」
 
③(単)裏地のついていない衣服。ひとえぎぬ。ひとえもの。袷(あわせ)。《季・夏》
*蜻蛉日記〔974頃〕下・天祿三年「ひとへの袖あまたたびひきいでつつ」
*宇津保物語〔970〜999頃〕俊蔭「衣、はた、はかなきひとへの萎えたるを著たるに」
*とはずがたり〔14C前〕一「紅の薄様八つ、濃きひとへ、萌黄のうは着、唐衣、袴、三つ小袖、二つ小袖など、平包みにてあり」
*はやり唄〔1902〕〈小杉天外〉五「ネルの単物(ヒトヘ)に着更へたところで」
 
④(形動)まじりけのないこと。純粋であること。そのことに専心すること。また、そのさま。ひたすら。→ひとえに。
*謡曲・卒都婆小町〔1384頃〕「これぞ悟りの種なると、思ふ心の一重なる、墨の衣に身をなして」
*清原宣賢式目抄〔1534〕三一条「はなはたひとへになるを偏頗と云、一方むきになる心也」
*コンテムツスムンヂ(捨世録)〔1596〕三・五〇「fitoyenaru (ヒトエナル) ココロヲ モッテ ヲンミヲ タヅネ モトメタテマツル ヒトワ アヤマチニ ヲツル コト スクナシ」

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