ふくさ【袱紗・服紗・帛紗】

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数え方(読み方)・単位

一枚(いちまい)

解説

意味

①糊(のり)を引いてない絹。やわらかい絹。略儀の衣服などに用いた。また、単に、絹。ふくさぎぬ。
*枕草子〔10C終〕二八二・狩衣は「狩衣は、香染の薄き。白き。ふくさ。赤色。松の葉色」
*十訓抄〔1252〕七・王辰爾読高麗鳥羽表文事「其羽を蒸してふくさのきぬにて押しければ、書ける如く写りて」
*匠材集〔1597〕一「かいねり 紅の色也 ふくさにてうらも表も紅なり」
*風俗画報‐五二号〔1893〕人事門「銀座二丁目の呉服店越後屋甚右衛門よりは服紗(フクサ)、浴衣地(ゆかたぢ)」
 
②絹や縮緬(ちりめん)などで作り、紋様を染めつけたり縫いつけたりし、裏地に無地の絹布を用いた正方形の絹の布。贈物を覆い、または、その上に掛けて用いる。掛袱紗。袱紗物。
*浮世草子・好色一代男〔1682〕七・二「太夫なぐさみに金を拾はせて、御目に懸ると服紗(フクサ)をあけて一歩山をうつして有しを」
*浄瑠璃・津国女夫池〔1721〕三「守本尊一寸八分の不動様、包みしふくさに書判すへて」
*随筆・貞丈雑記〔1784頃〕八「殿中日々記などにひらづつみの事みえたり。今は絹にてぬひたるをふくさといひ、布にて縫ひたるを風呂敷と云」
 
③茶道で、茶器をぬぐったり、茶碗を受けたり、茶入・香合などを拝見したりする際、下に敷いたりする正方形の絹の布。茶袱紗、使い袱紗、出袱紗、小袱紗などがある。袱紗物。
*仮名草子・尤双紙〔1632〕上・三四「むらさきの物のしなじな〈略〉紫のふくさに茶わんのせ」
*浮世草子・好色二代男〔1684〕一・五「甫竹がためたる一節に、塩瀬が不洗(フクサ)を取添」
*随筆・槐記‐享保一一年〔1726〕正月二八日「ふくさを腰に付る事も、右にかぎりたる事なれども、今様宗旦流と云ものは、必ず左にするとも云」
*夜明け前〔1932〜35〕〈島崎藤村〉第一部・上・三・四「手にした袱紗(フクサ)で夏目の蓋を掃き浄めながら」
 
④本式でないものをいう語。
*洒落本・粋町甲閨〔1779か〕「『どうだ仙台浄瑠璃は』『ありゃアふくさサ』」
*随筆・貞丈雑記〔1784頃〕一五「ふくさと云詞古はなき詞也。今はふくさと云事多し〈略〉是等の詞皆本式にあらざる物にはふくさと云事を付ていふなり」

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