カッパ【capa/合羽】

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数え方(読み方)・単位

一着(いっちゃく)

解説

⇒レーンコート

意味

(「合羽」はあて字)
 
①キリシタンの僧侶の法服など、長くゆったりしたガウン状の上衣。
*西洋紀聞〔1725頃〕下「其法衣、ポルトガルの語には、カッパといふ。昔我俗其製に倣ひ、雨衣を作れり」
*夜明け前〔1932〜35〕〈島崎藤村〉第二部・上・一・二「侍臣のものに命じて彼等の礼服なるカッパを取り去らせ」
 
②①をまねて作った防寒コート。はじめはラシャやビロードで作り、特に赤い色のものは猩々緋(しょうじょうひ)と呼んで、最高のものとされた。雨具としても用いられ、木綿で作った木綿合羽のほか、庶民の間では桐油(とうゆ)紙を用いた桐油合羽が用いられるようになった。元来、袖なしであったが、のちには袖のついたものもできた。明治以降、防寒具として用いられたものはマントと呼ばれるようになったので、もっぱら雨具としてのものをさすようになった。

*当代記〔1615頃か〕四「猩々皮のかっは」
*俳諧・桃青門弟独吟廿歌仙〔1680〕岡松独吟「時の調べにきせるふくあり 天津空合羽のきれをひるがへし」
*随筆・安斎随筆〔1783頃〕三一「和蘭詞にてはマントルと云ポルトガルの詞にてはカッパと云也」
*滑稽本・東海道中膝栗毛〔1802〜09〕六・下「おいらが合羽(カッパ)をかしてやろう」
*東京新繁昌記〔1874〜76〕〈服部誠一〉三・新橋鉄道「乱髪麻を〓(むし)り、必ず雨衣(〈注〉カッパ) を披く者は〓父(〈注〉いなかもの)の横浜を回る也」
*在りし日の歌〔1938〕〈中原中也〉夜更の雨「倉庫の 間にゃ 護謨合羽(カッパ)の 反射(ひかり)だ」
 
③(桐油合羽に用いられたところから)桐油(とうゆ)紙。油紙。タバコ入れなどを作った。

*浮世草子・好色一代女〔1686〕六・四「継煙管(つぎきせる)を無理取に合羽(カッハ)の切(きれ)の莨〓(たばこ)入をしてやり」
*浮世草子・世間手代気質〔1730〕三・三「今に此かっはの煙草入ですますが」
 
④劇場や見世物の木戸口にいて往来の人にすすめて引き入れる役目の男。常に半合羽を着ていたところからというが、一説に、河童(かっぱ)のように人を引きずりこむところからともいう。引込(ひっこみ)。仕切(しきり)。
*戯場訓蒙図彙〔1803〕叙「うかりうかりと見物して、面白いとばかり思ふて仕廻しは、合羽(カッパ)に引込れて荷包(きんちゃく)の底をはたく見物文盲の三太郎に等し」
*雑俳・柳多留‐五八〔1811〕「岡に住むかっぱの多い二丁まち」
*西洋道中膝栗毛〔1870〜76〕〈仮名垣魯文〉六・下「『一と幕のぞいてお出なせへヱモシ』〈略〉『うるせへ合羽だ』〈かっぱとはしばゐのそとにて客をひくものをなづけて云〉」
 
⑤和船で甲板のこと。近世の代表的荷船である弁才船では、特に船首部二の間の上部に設けた水密(すいみつ)の甲板をいう。この下の船倉は主に綱・道具類を入れ、また、水主の居住区とする。
*漂流記〔1863〕「暫時にして烈風大波起り、かっは〈舟の表潮を流す樋有所をいふ〉を打砕き、潮大に入る」
*幻談〔1938〕〈幸田露伴〉「舟首(みよし)近く、甲板(カッパ)のさきの方に亙(わた)ってゐる簪(かんこ)の右の方へ右の竿、左の方へ左の竿をもたせ」

語源

(②について)
 
(1)ポルトガル人の伝えた毛織物のcapa を戦国武将たちは外衣として珍重した。厚手で防水性があり、ヨーロッパのすぐれた技術で染色された鮮明な緋色、黄、黒色が特に愛好された。
 
(2)「合羽」と当て字され、その形態が日本化されて、「雨合羽」「道中合羽」など、材質も桐油紙や木綿が用いられ庶民層にまで広がった。日本で工夫されたものに、袖をつけた袖合羽、桐油紙製袖なしの坊主合羽、袖つき桐油紙製の豆蔵合羽、木綿製の引廻し、等々がある。
 
(3)「上井覚兼日記‐天正一三年二月二七日」の「かはんとて、蓑之ごとく雨降にめされ候ても不〓苦候御打掛など様之物」に見られる「かはん」は「かんは」の誤記で「ん」は促音「ッ」を表わしたものかもしれない。もしそうなら(2)の古い例となる。

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