かぶ【株】

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数え方(読み方)・単位

①一株 (ひとかぶ) 、一株 (いっしゅ) 、一本 (いっぽん) 、一本 (ひともと)

②一株 (ひとかぶ) 、一枚 (いちまい)

解説

①植物の株は「株 (かぶ) 」「本 (ほん) 」で数えます。雅語的に「株 (しゅ) 」「本 (もと) 」と数えることもあります。

②株券は「枚」でも数えます。株価は「円台」で、ある区切りの値段を超えた範囲を表します。例:「株価が1万円台を回復」

意味

①植物の根もと。

(イ)木を切った後に残った幹または根。きりかぶ。くいぜ。
*玉塵抄〔1563〕一〇「枯れ朽た木のかぶに芝菌のくさびらがはゆるぞ」
*日葡辞書〔1603〜04〕「Cabu (カブ)〈訳〉伐採したあとに残る樹木や竹などの幹」
*男重宝記(元祿六年)〔1693〕三・二「鉢に榾(カブ)をいけて心(しん)をさすなり。榾(カフ)一つのときは、鉢の中ずみに立(たて)て、むかひより心をたて出すなり」

(ロ)植物の何本にもなった根もと。株立ち。

*御湯殿上日記‐文明一八年〔1486〕正月八日(頭書)「うちのちおん院より、なんてんのかふともあまたまいる」
*俳諧・続猿蓑〔1698〕春「掘おこすつつじの株や蟻のより〈雪芝〉」
*咄本・露休置土産〔1707〕二・四「方々にぼたんあれ共、貴様の程いろいろのかぶ持ちたる人はなし」
 
②他に対して占める地位、身分。

(イ)近世、官許された特定の業者仲間の組合員や御家人、名主、家主などが世襲、継続した地位、身分、格式、業務。その数が限定されて権利となり、売買・譲渡の対象となった。
*俳諧・西鶴大矢数〔1681〕第一一「或はかね初瀬の寺に聞ゆなる 酒の家符(カフ)買〓の下陰」
*御触書之留并浜方記録‐享保一八年〔1733〕三月(大阪市史三)「先達而吟味之上人数株に申付置候処、其後無株之者共多問屋店を出し、〈略〉致仲買候儀、急度相止め可申候」
*夢酔独言〔1843〕「兄きがつかった侍はみんな中間より取立て、信州五年づめの後江戸にて不〓残御家人のかぶを買てやられたが、利平はいん居してかぶの金を貰て」
*社会百面相〔1902〕〈内田魯庵〉ハイカラ紳士・下「爾(さ)ういふ心掛の仁(じん)だから町与力の株から代官まで出世した」

(ロ)広く職業・営業上での特権、地位、資格、役職をいう。

*俳諧・西鶴大矢数〔1681〕第二「二年懸工みて舟を作られたり 商売替て酒の大家符」
*浄瑠璃・生玉心中〔1715か〕上「其代に、家・屋敷、商ひの株(カブ)共におやぢの跡をつがする」
*談義本・世間万病回春〔1771〕五・時山医評「明き家を預りて山の芋から鰻屋の株(カブ)に在り付し」
*人情本・春色梅美婦禰〔1841〜42頃〕四・二四回「茶見世の株を買てとらせ」
*野の花〔1901〕〈田山花袋〉二「今にこの近郷の医師では宮崎と言はれるほどの株になってゐるのである」

(ハ)一般に、身分。家柄。一族。

*人情本・清談若緑〔19C中〕二・一一回「旦那もまたこの土地では、名も知られた株(カブ)で居ながら、人の女房を取たと言はれちゃア、立派な顔も捨(すた)るから、もう些(ちっと)お待なさいナ」
*象やの粂さん〔1921〕〈長谷川如是閑〉「何しろ豪的なもんだ。好い株だなア。年中そんなことして、仕てえ三昧(ざんめえ)してゐたらたまるめえな」
 
③その人の持ち前となっている動作、状態。特有のくせ。独特の点。得意な点。持ちまえ。おかぶ。お得意。

*雑俳・川柳評万句合‐宝暦一一〔1761〕義三「中宿の女房は毒をかぶにして」
*滑稽本・浮世風呂〔1809〜13〕二・下「此ばアさまは〈略〉なきごとばかりいふがかぶなり」
*歌舞伎・小袖曾我薊色縫(十六夜清心)〔1859〕序幕「こんな事もわたしの内じゃア、株の様になっていたが、意気地がねへからしなかったが」
 
④「かぶしき(株式)」「かぶけん(株券)」の略。また、その売買。
*会社弁〔1871〕〈福地桜痴〉諸会社取建の手続大要「会の大小に応じ財本の高を割り、何百両又は何千両を以て一株と定むべし。之を会社の株と唱ふ」
*社会百面相〔1902〕〈内田魯庵〉投機・二「矢張株でも募るのかヱ?」
*黴〔1911〕〈徳田秋声〉三五「製糸事業で失敗してから、それを挽回しようとして気を焦燥(あせ)った結果、株でまた手痛くやられた」 
 
⑤共犯者が盗んだ品を分配すること。また、その品を売買する者をいう、盗人仲間の隠語。〔日本隠語集{1892}〕

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