かいけん【懐剣】

《スポンサードリンク》
 

数え方(読み方)・単位

一本(いっぽん)、一振り(ひとふり)など

解説

基本的には「本」で数えますが、雅語的用法が多様にあります。武士の携 (たずさ) えた刀は、振り下ろして切り口をつけることから、「口」という漢字を使って数えますが、「ふり」と読むのが一般的です。「振り」の古来の用字が「口」で、「くち」「こう」と読むこともあります。武士が腰に差す刀の数は「二本差し」のように、「本」で表すほかに、腰に下げるものを数える「腰」を用いて数えます。また、名詞「刀」「剣」をそのまま数詞につけて、刀を数えることもあります。
⇒刀(かたな)

意味

①ふところに入れておく護身用の短刀。ふところがたな。一尺三寸。
*太平記〔14C後〕二七・左兵衛督欲誅師直事「懐剣(クヮイケン)と云太刀を錦の袋より取出して、赤松にこそ引きたりけれ」
*読本・椿説弓張月〔1807〜11〕続・四三回「彼は二人の少年ならん親子が素姓をしるよすがとも、なるべきはこの懐剣(クヮイケン)なり」
*草枕〔1906〕〈夏目漱石〉一二「帯の間から頭を出して居るのは懐剣らしい」
 
②連歌や俳諧などの席にのぞむ前に、あらかじめ句案、句作しておくこと。また、その句。懐句。はらみ句。宿構(しゅっこう)。
*類聚名物考〔1780頃〕和歌一六・総括大意「宿構・今俗に詩歌連俳をかねて巧みまうけしを懐剣といひ俳諧の猶俗云には懐句といふ事有り是は宿構なり」

《スポンサードリンク》
 



数え方人気 [TOP50]ビジネス文書数え方
季節用語の数え方名数一覧(1~100)