数え方(読み方)・単位
一枚(いちまい)、一通(いっつう)
解説
広く手紙について、通常は「通」で数えます。連絡手段としては「本」でも数え、「彼は手紙1本よこさない」のように用います。葉書や便箋 (びんせん) 、メモ用紙に書かれた手紙は「枚」「片」、封書は「封」で数えます。思い入れのある葉書などは「葉 (よう) 」で数えることもあります。手紙を数えるのに証文を数える「札 (さつ) 」を用いることもあります。「一札 (いっさつ) 添える」
⇒手紙(てがみ)
意味
①用件の相手が不在のときや、連絡せずに家を出るときなどに、用件を書き残しておくこと。また、その文書。置き手紙。
*歌舞伎・幼稚子敵討〔1753〕三「書置と守袋を大橋前へ放り」
*人情本・春色梅美婦禰〔1841〜42頃〕四・二〇回「母とお京へ遺書(カキオキ)をして、〈略〉尼寺さして急ぎけり」
*不如帰〔1898〜99〕〈徳富蘆花〉下・五・三「もうもう此家(ここ)には居ない、今から直(す)ぐと父の側に行って、と其様(さう)思ひましてね、〈略〉枕元で書置(カキオキ)を書いて居ますと」
②死後のために書き残すこと。また、その文書。遺言状。遺書。
*虎明本狂言・文山立〔室町末〜近世初〕「いざ、かきおきをして死ぬまいか」
*天正本節用集〔1590〕「書置 カキヲキ」
*浮世草子・本朝桜陰比事〔1689〕一・七「百ケ日の精進あかりて後町中立合見るに書置迚もなし」
*怪談牡丹燈籠〔1884〕〈三遊亭円朝〉一五「御主人様が是だけの遺書(カキオキ)をお遣はしなさるは、何の為めだと思はっしゃる」
*今戸心中〔1896〕〈広津柳浪〉一一「小万は涙ながら写真と遺書(カキオキ)とを持ったまま」