かこい【囲い】

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数え方(読み方)・単位

一重 (ひとえ) 、一重 (いちじゅう) 、一枚 (いちまい)

解説

全体を見て重なるものは「重」で数えます。平面的なものと捉 (とら) える場合は「枚」で数えます。

意味

①中にとりこめて周囲をふさぐこと。回りをとり囲むこと。また、そのもの。
*玄玉〔1191〜92頃〕天地上「しめはへてしづのあらまく小山田の春のかこひは霞成りけり〈俊恵〉」
*古活字本毛詩抄〔17C前〕四「合葬と云は、囲を一二してかこいの内をば別々にする事ぞ」
*坊っちゃん〔1906〕〈夏目漱石〉一〇「葭簀(よしず)の囲ひをして、活花(いけばな)が陳列してある」
 
②屋敷などを囲う塀(へい)、垣根などの造作。
*堀河百首〔1105〜06頃〕雑「かこひなき柴の庵はかりそめのいなばぞ秋のまがきなりける〈源国信〉」
*発心集〔1216頃か〕六・郁芳門院侍良住武蔵野事「僅に一間ばかりなる庵あり。萩・女郎花をかこひにして、薄・かるかや・荻などを取りまぜつつ、上にはふけり」
*和英語林集成(初版)〔1867〕「Kakoi (カコイ)ヲ スル」
*暗夜行路〔1921〜37〕〈志賀直哉〉一・三「物置と竝べて作った小さい囲ひの処へ行った」
 
③寒さを防ぐなどのために植物に覆いをすること。また、そのもの。
*甲陽軍鑑〔17C初〕品五「喩ば牡丹芍薬を庭にうへて見るに、冬のかこひを能くして春養いをすれば」
 
④茶室の一種。元来は広い部屋の一部分を囲って茶席としたものだが、のちには、独立した家屋の茶室をも意味するようになった。茶道の開祖珠光(しゅこう)が、足利義政の時代に、京都東山慈照寺の四畳半座敷を方丈になぞらえ、屏障(へいしょう)でかこいをしたところから起こったともいう。
*咄本・醒睡笑〔1628〕跋「又かこひにて茶をたてて給うたるしほらしさ、いふばかりなければ」
*俳諧・鷹筑波集〔1638〕三「竹のかこひはくさりかたぶく つりがまの自在天じゃうはそさうにて〈良継〉」
*浄瑠璃・八百屋お七〔1731頃か〕上「とび石伝いやうやうとかこいの内へ入ければ」
 
⑤野菜・果物などをその出回りの時期の過ぎたあとまで貯えておくこと。また、そのところ。
*精進献立集二篇〔1824〕二三番「水物〈略〉かこひのびわ、あらひてみを二つ三つばかりほどづつぢくつけてきる」
 
⑥品物を使ったり売ったりしないでとどめておくこと。買い置きをすること。
*俳諧・大坂檀林桜千句〔1678〕第五「あがりまたるる物は買置〈如昔〉 囲ひよりつつけてはなしはなしては〈本秋〉」
 
⑦賭博の一種「きんご」で一四になって札を伏せておくこと。転じて一四の数。
*随筆・嬉遊笑覧〔1830〕九「柳亭子云、きんご打ときたとへば、十四の数出れば是をふせ置なり。其徒詞にかこいといふ故」
 
⑧(初め揚げ代が銀一四匁だったので、(7)から転じた称という)江戸時代、京都島原、大坂新町の遊郭で、太夫、天神に次ぐ第三級の遊女。のちに銀一五匁になって、「きんご」の最高点が一五なので、「きんご」ともいうようになり、銀一六匁になって、九九(くく)で四四(しし)が一六になるから鹿(しし)の字をあて、「鹿恋」「鹿子位」などと書くようになった。鹿職(かしょく)。鹿子位(ろくじい)。鹿州。もみじ。
*評判記・難波物語〔1655〕「此ほどのはらゐせに、わきへちらして、かこひをはなしたるものは天神をはなし」
*仮名草子・都風俗鑑〔1681〕一「やす傾城をかう者は、〈略〉或はかこひをかひはしをはなす也」
*浮世草子・好色一代女〔1686〕二・一「五十貫目迄の人十五(カコヒ)に出合(であひ)てよし」
*浮世草子・好色訓蒙図彙〔1686〕上・人倫「鹿恋(カコヒ)は十六匁、四々の十六といふ九々より、鹿恋といひそめしとかや」
 
⑨「かこいもの(囲者)」に同じ。
*雑俳・柳多留‐七〔1772〕「囲(かこイ)とはいへど大きなばれおんな」
*滑稽本・浮世風呂〔1809〜13〕三・上「すべて女中湯の朝の間は、町鯨舎(まちげいしゃ)か、料理屋の娘、あるひは鹿恋(カコヒ)などの多く入湯するゆゑ」
 
⑩歌舞伎で舞台を広く使うため、大臣柱の外側の部分(上手は揚げ幕の部分、下手は黒簾(くろみす)の前)を囲う張り物。
 
⑪将棋で、法則に従って金将、銀将で王将を堅めること。また、その形。矢倉囲い、美濃囲いなど。

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