かまぼこ【蒲鉾】

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数え方(読み方)・単位

一本(いっぽん)、一切れ(ひときれ)、一枚 (いちまい) 、一板 (ひといた)

解説

切り分けた蒲鉾は「切れ」で数えます。笹 (ささ) 蒲鉾は「枚」で数えます。蒲鉾板も「枚」で数えます。まれに「1板 (ひといた) 」とも数えます。

意味

①(「がまほこ」とも)蒲(がま)の穂。ガマ科の植物の花穂(かすい)が鉾(ほこ)の形に似ているところからいう。がまのほこ。蒲槌(ほつい)。《季・夏》
*名語記〔1275〕九「かまほこ如何。〓鉾矣」
*重訂本草綱目啓蒙〔1847〕一五・水草「上に穂を生ず、長さ七八寸濶さ一寸許、形蝋燭の如し、短毛あつまりて形をなす、褐色なり、これをがまほこと云、魚肉〓(かまぼこ)これにかたどる、漢名蒲槌と云、一名蒲棒〔救荒本草〕」
*小学読本〔1873〕〈榊原芳野〉一「蒲 水草也、其花の穂を蒲鉾と称ふ」
 
②白身の魚をすり身にし、調味料や片栗粉などを加えて練り、それを板につけ、あるいは簀巻(すまき)にし、時には種々の形に細工して、蒸し、ゆで、またはあぶり焼きにした食品。室町時代に、すり身を竹に塗りつけて焼き、儀式に用いたのが始まりで、その形や色が蒲の穂に似るところからこの名がある。本来のものを竹輪(ちくわ)かまぼこ、後世の板につけたのを板付きかまぼこという。おいた。魚〓(ぎょこう)。

*鈴鹿家記‐応永六年〔1399〕六月一〇日「鮒すしかまほこ香物肴種々台物五つ」
*類聚雑要抄〔室町〕一「追物 蒲鉾、鳥足、蠣」
*宗五大草紙〔1528〕料理の事「かまぼこはなまづ本也。蒲の穂を似せたる物なり」
*甲陽軍鑑〔17C初〕品四四「御二之膳 蒲穂子(カマボコ)、小鱧、鳥冷汁」
*浮世草子・世間娘容気〔1717〕五「やきたてのかまぼこに生醤油つけて板ぐち噛(かぶり)、腹ふくるままの昼寝」
*物類称呼〔1775〕二「王鮪 しび〈略〉又びんながといへる物はあぶらを去て肉〓(カマボコ)となすもの也」
*俳諧・七柏集〔1781〕老鶯巣興行「蒲鉾に鳥芋(くわゐ)もふるき硯ぶた〈あき良〉 御客のやうにすはる釣もの〈七楼〉」
*滑稽本・東海道中膝栗毛〔1802〜09〕初「アアいいさけだ。時にさかなは、ハハアかまぼこも白板だ」
 
③板つきのかまぼこのような形。円筒を縦に切り、断面を下にした形。かまぼこがた。かまぼこなり。「かまぼこ兵舎」

(イ)蒲鉾小屋(かまぼこごや)。また、そこに住む人や、そこに住むような貧しさ。

*評判記・たきつけ草〔1677〕「おとこのしんだいかまぼこになりてののちも、女はすてぬ心ざしなるべけれど」
*滑稽本・東海道中膝栗毛〔1802〜09〕六・上「われがうちは、大かた四条の蒲鉾(カマボコ)ぢゃあろ」
*随筆・こがねぐさ〔1830頃か〕「やつがれは加茂河原にさまよひ侍りて、あだ名にかまぼこてふなる小屋にすまひなす、かたゐにて侍るなり」

(ロ)宝石を入れないで、中高に造った指輪。結婚指輪にはこれを用いることが多い。

*模範新語通語大辞典〔1919〕〈上田景二〉「カマボコ 流行界にて蒲鉾形純金指輪をいふエンゲーヂリング(婚約指輪)として用ゐらる」

(ハ)麻雀の白板(パイパン)をいう俗語。

(ニ)舞台装置の低い土手。かまぼこ形をしているところからの名。「なまこ」とも。
 
④板付きかまぼこのさまから、板につくというしゃれ。

(イ)幕があいた時に舞台に出ている俳優。いたつき。

(ロ)机にかじりついている人。〔かくし言葉の字引{1929}〕

(ハ)(黒板についているというしゃれ)教師をいう学生用語。
 
⑤錠をかけた箇所を焼き切ることをいう、盗人仲間の隠語。〔隠語輯覧{1915}〕

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