かみなり/カミナリ【雷】

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数え方(読み方)・単位

一本(いっぽん)、一筋 (ひとすじ) 、一個(いっこ)、一撃 (いちげき)

解説

雷の閃光 (せんこう) は「本」「筋」で数えます。落雷は「個」や「撃」で数えます。

意味

①電気を帯びた雲と雲との間、あるいは、雲と地表との間に起こる放電現象。また、それに伴ってごろごろととどろく大音響。雷鳴。強い上昇気流のある所などに発生する。いかずち。《季・夏》

*狭衣物語〔1069〜77頃か〕三「げに、にはかに風あらあらしく吹て、空の気色も、『いかなるぞ』と見えわたるに、神なりの、二度(ふたたび)ばかり、いと高く鳴りて」
*俳諧・類題発句集〔1774〕夏「雷の掴みさかしや田草取〈桃妖〉」
*俳諧・蕪村句集〔1784〕夏「雷に小家は焼れて瓜の花」
*歌舞伎・網模様燈籠菊桐(小猿七之助)〔1857〕三幕「もし滝川様滝川様、強い雷(カミナリ)でござりました」
 
②雷神。かみなりさま。雲の上におり、虎の皮のふんどしをしめ、連鼓を背負ってこれを打ち鳴らす神で、人間のへそを好み、へそを出していると取りに来ると言い伝えられている。なるかみ。

*虎明本狂言・神鳴〔室町末〜近世初〕「私も随分いがくを仕たれ共、今までかみなり殿のれうじのいたしやうをならはなんで御ざる」
*わらんべ草〔1660〕四「一神鳴(ナリ) 京の三十三間堂の、神鳴を写す」
*談義本・根無草〔1763〜69〕前・四「かたへには軽業(かるわざ)の太鼓雲に響ば、雷(カミナリ)も臍(へそ)をかかへて迯去り」
*清元・日月星昼夜織分〔1859〕「一つ長屋の雷(カミナリ)が夫婦喧嘩の乱さはぎ」
 
③(雷鳴がやかましいところから)がみがみと頭ごなしにどなりつけ、叱り責めること。また、そのような口やかましい人。

*浄瑠璃・薩摩歌〔1711頃〕中「ヲヲ気が付た奇特(きどく)奇特。ことに比丘尼(びくに)の事といひ、かみなりめがもどっても大事(じ)ないこと」
*雑俳・柳多留拾遺〔1801〕巻一四中「かみなりがのむとしかると禿(かむろ)いひ」
*歌舞伎・勧善懲悪覗機関(村井長庵)〔1862〕六幕「此町内で雷(カミナリ)と異名をとった五郎兵衛が」
 
④屋根伝いに天窓や明り窓などから忍び込む窃盗犯をいう、盗人仲間の隠語。〔隠語輯覧{1915}〕
 
⑤狂言。各流。足を踏みはずして広野に落ち腰骨を打った雷は、ちょうど通りかかった医者に治療を頼み、医者は針療治をする。雷はお礼に五穀成就となるように適度の雨を降らせることを約束して天上する、という筋。針立雷(はりたていかずち)。

語源

①古く、恐ろしい神を意味する「いかづち」が【一】(1)を表わす一般的な語であったが、歌の中では「雷鳴」の意の「なるかみ」が多く用いられた。この「雷鳴」の側面を「神、鳴る」とも表わし、その連用形から「かみなり」が生じたと考えられる。「二十巻本和名抄‐一〇」の「神鳴の壺」の例以外にはあまり古い用例は見えず、「いかづち」が衰える中世末ごろから、広く一般化するようになる。
 
②現代の方言では、東北・関東・中部の一部のカンダチ(神立)系や、京都北方、丹波・丹後、若狭のハタガミ(ハタめく神)系などがある。カンダチはかつて東部日本で広大な領域を持っていたと思われるが、東北地方の太平洋側諸県や北関東では漢語系ライサマ(雷様)の類が広まるようになる。他の方言として、鳴る音から来たと思われるゴロゴロ系、ドロドロ系の語がある。また、ユウダチ(夕立)の呼称と交錯する地方もままある。
 
③カミナリ(神鳴)の義〔俚言集覧・言元梯・大言海〕。
 
④カミは「皇」Kam の転音で、雷を霊物視したもの。ナルは「鳴」の別音Nyao の省音Na にラ行音の語尾を添えて動詞化したもの〔日本語原考=与謝野寛〕。

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