かさね【重ね/襲】

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数え方(読み方)・単位

一枚(いちまい)

解説

上着と下着の備わった衣服のことで、「枚」で数えます。
⇒きもの(着物)

意味

(動詞「かさねる(重)」の連用形の名詞化)

①物などを重ねること。また、重ねたもの。
*能因本枕草子〔10C終〕二一九・硯きたなげに塵ばみ「かさねならずは、二つのかけごの硯のいとつきづきしう〈略〉をかしうて」
*源氏物語〔1001〜14頃〕乙女「緑の薄様の、好ましきかさねなるに、手はまたいと若けれど生先き見えていとをかしげに」
*源氏物語〔1001〜14頃〕真木柱「姫君檜皮(ひはだ)色の紙のかさね、ただいささかに書きて」
*紫式部日記〔1010頃か〕寛弘五年一二月三〇日「あてきが縫ふもののかさねひねりをしへなどつくづくとしゐたるに」
 
②特に、衣服を数枚重ねて着ること。また、その衣服。かさねぎ。
*宇津保物語〔970〜999頃〕俊蔭「うちにごたち・うなゐども、かさねの裳・唐衣(からぎぬ)・汗衫(かざみ)ども着て居並みたり」
*河内本源氏物語〔1001〜14頃〕玉鬘「細長、小袿(こうちき)のいろいろさまざまを御覧ずるに『〈略〉かたがたにうらやみなくこそものすべかりけれ、このかさねども』とうへに聞え給へば」
*源氏物語〔1001〜14頃〕初音「かさねの袿(うちぎ)などは、いかにしなしたるにかあらん」
*今鏡〔1170〕二・春の調「ひだりみぎの舞ひ人、かさねの装(よそひ)して月華門に集まれり」
 
③(襲)袍(ほう)の下に重ねて着る服。したがさね。
 
④衣服の上着と下着とそなわっていること。
*十巻本和名類聚抄〔934頃〕四「襲 史記音義云衣之単複相具謂之襲〈辞立反 加左禰〉 爾雅注云襲猶重也」
 
⑤(襲)衣服を重ねて着るときの、衣と衣との配色、または、衣の表と裏との配色。季節によって色目(いろめ)にきまりがあり、紅梅襲(こうばいがさね)、卯の花襲、山吹襲などのようにいう。→襲の色目。
 
⑥刀身の厚み。
*浮世草子・色里三所世帯〔1688〕中・一「切先(きっさき)より一寸五分程手まへにむくろぢ程なるふくれ有。かさねあつく平つくりにして無〓(むきず)物」
*歌舞伎・四十七石忠矢計(十二時忠臣蔵)〔1871〕序幕「太刀はかさねの厚きを帯し」
 
⑦「かさねもち(重餠)(1)」の略。
*東京年中行事〔1911〕〈若月紫蘭〉六月暦「お供への重(カサ)ねが五つ六つ積んで有る」
 
⑧箪笥(たんす)をいう、盗人仲間の隠語。〔日本隠語集{1892}〕

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