かたびら【帷子】

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数え方(読み方)・単位

一枚 (いちまい) 、一張り (ひとはり)

解説

仕切りのために几帳 (きちょう) などに掛ける布のことで、幕を数える「張り」で数えることもあります。

意味

①几帳(きちょう)、御帳(みちょう)、壁代(かべしろ)などに用いて、へだてとするたれ布。夏は生絹(すずし)、冬は練絹(ねりぎぬ)を用いる。
*日本書紀〔720〕大化二年三月(北野本訓)「其の葬らむ時の帷(カタヒラ)帳(かたしろ)等は白布を用ゐよ」
*十巻本和名類聚抄〔934頃〕六「帷 釈名云帷〈音維 和名 加太比良〉囲也以自障囲也」
*源氏物語〔1001〜14頃〕若紫「御几帳のかたびら引き下し、おましなどただ引き繕ふばかりにてあれば」
*栄花物語〔1028〜92頃〕初花「御几帳のかたびら掛けかへ、御鏡など持て騒ぎ参る程」
 
②裏をつけない布製の衣類の総称。夏は直衣(のうし)の下に着る。
*枕草子〔10C終〕三三・説経の講師は「夏などのいと暑きにも、かたびらいとあざやかにて」
*平家物語〔13C前〕一〇・千手前「廿ばかりなる女房の、色白う清げにて、まことに優にうつくしきが、目結(めゆひ)のかたびらに染付けの湯巻きして」
*徒然草〔1331頃〕五三「三足なる角の上にかたびらをうち掛けて」
 
③夏に着る、麻、木綿、絹などで作ったひとえもの。また、一般に、ひとえの着物。かたびらきぬ。《季・夏》
*仮名草子・尤双紙〔1632〕上・八「むさき物之しなじな〈略〉かたびらのしみもの。はなくそ」
*仮名草子・東海道名所記〔1659〜61頃〕一「素紙子ひとへ、かたびら一枚、てつるてんの独り身となる」
*俳諧・続猿蓑〔1698〕夏「帷子のねがひはやすし銭五百〈支考〉」
*滑稽本・浮世風呂〔1809〜13〕三・下「四月から九月までの間で袷と羅衣(カタビラ)の時候に用るのさ」
*当世書生気質〔1885〜86〕〈坪内逍遙〉三「ちかごろ仕立させしと、見ゆる、上布のかたびらに」
 
④仏式で、葬る時、名号、経文、題目などを書いて死者に着せる着物。白麻などでつくる。経帷子(きょうかたびら)。
*仮名草子・竹斎〔1621〜23〕下「浄土の三部経を書きたるかたびらを上に著て」
*浮世草子・日本永代蔵〔1688〕三・二「死では何も入ぬぞ。帷子(カタヒラ)ひとつと銭六文を四十九日の長旅のつかひ

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