かつら/カツラ【鬘】

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数え方(読み方)・単位

一枚(いちまい)、一台(いちだい)、一個(いっこ)

解説

部分的に髪をおおう鬘は「枚」で数えます。日本髪の鬘など、頭全体をおおう結い上がった髪形のものは「台」で数えることがあります。余興などに使う玩具 (がんぐ) の鬘は「個」でも数えます。

意味

①上代、青柳、アヤメ、ユリ、藻草、稲穂などの種々の植物を、髪の飾りとしたもの。「うず」や「かざし」が枝のまま髪に突きさしたのに対し、髪に結んだり、巻きつけたり、からませたりして用いた。元来は、植物の生命力を身に移そうとした、感染呪術に基づく。
*万葉集〔8C後〕五・八一七「梅の花咲きたる園の青柳(あをやぎ)は可豆良(カヅラ)にすべくなりにけらずや〈粟田大夫(名未詳)〉」
*霊異記〔810〜824〕上・一「緋の蘰(カツラ)を額(ぬか)に著け、赤き幡桙(はたほこ)を〓(ささ)げて〈興福寺本訓釈 縵 可川良〉」
*紫式部日記〔1010頃か〕寛弘五年一一月二〇日「五節は廿日まゐる。〈略〉右宰相中将の、五節にかつら申されたるつかはすついでに」
*俳諧・田舎の句合〔1680〕二五番「町神楽店前(てんぜん)の日かげをかづらとし」
 
②髪の薄い人、短い人などが添え加えた髪。そえがみ。かもじ。
*源氏物語〔1001〜14頃〕蓬生「わが御ぐしの落ちたりけるを取り集めてかつらにし給へるが、九尺余ばかりにて、いと清らなるを」
*今昔物語集〔1120頃か〕二九・一八「其の御髪(ぐし)の長(たけ)に余て長ければ、其を抜取て、鬘(かつら)にせむとて抜く也」
 
③種々の髪型に作って頭にかぶるようにしたもの。もと演劇用として発達したが、現在では髪型を変えるためなどに一般にも用いられている。
*俳諧・続猿蓑〔1698〕春「我宿はかづらに鏡すえにけり〈是楽〉」
*歌舞伎・傾城壬生大念仏〔1702〕上「彦六是非なく女のかづらを被(かづ)き、小袖を着更へ面を着て」
*風俗画報‐四一号〔1892〕人事門「髢(カツラ)は目下俳優のかぶる物のみを云ふが如くなれども」

*即興詩人〔1901〕〈森鴎外訳〉謝肉祭「頭に戴けるは『フイノツキイ』〈俗曲中にて無遠慮なる公民を代表したる役なり〉の仮髪(カヅラ)にて」

(4)植物「かもじぐさ(髢草)」の古名。

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