けし【芥子/罌粟】

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数え方(読み方)・単位

一本(いっぽん)、一株 (ひとかぶ) 、一粒 (ひとつぶ) 、一顆 (いっか)

解説

植物としては「本」「株」で数えます。ケシの実は「粒」「顆」で数えます。

広く植物について、原則として「本」「株」で数えます。林や草むらなど植物が生い茂る所は「むら」でも数えます。
⇒しょくぶつ(植物)

意味

①カラシナの種子。その粉末を香辛料や薬用とする。また、辛味に煩悩を調伏する力があるとし、護摩をたくのにこれを加えて用いた。かいし。
*将門記〔940頃か〕「一七日の間に、焼く所の芥子は七斛有余なり」
*名語記〔1275〕五「僧の真言師の護摩する時いるけシ、如何。けしは、芥子とかけり」
 
②ケシ科の一、二年草。ギリシアおよび西南アジア原産。中近東、インド、中国などで栽培されている。日本には足利時代にインドから津軽地方に伝来したらしく、天保年間(一八三〇〜四四)に関西にも広がり、はじめ「津軽」と呼ばれた。茎は直立して高さ八〇〜一七〇センチメートルになる。全体に白粉を帯び、葉は互生し長さ七〜一五センチメートルの長楕円形で茎を抱き、縁に不規則な切れ込みがある。初夏、枝の先端に白、紫、紅や絞りなどの四弁花を開く。果実は球形で黄褐色に熟す。未熟のものからはアヘンの原料になる乳液を採り、種子からはけし油をつくる。漢方では果皮を罌粟殻(おうぞくこく)といい、鎮咳(ちんがい)・鎮痛・下痢止めに用いる。日本では「麻薬取締法」「あへん法」によって栽培が制限されている。漢名、罌粟、罌子粟。学名はPapaver somniferum ▼けしの花《季・夏》 ▼けしの実《季・夏》
 
*俳諧・鶴のあゆみ〔1735〕「はげたる眉をかくすきぬぎぬ〈芭蕉〉 罌子(ケシ)咲て情に見ゆる宿なれや〈枳風〉」
*日本植物名彙〔1884〕〈松村任三〉「ケシ 罌子粟」

③(「けしばかり」「けしほど」の形で)カラシナやケシの種子がきわめて小さいところから、きわめて小さなもの、また、ごくわずかなもののたとえに用いる。けし粒。
*霊異記〔810〜824〕上・二九「功徳大なること地の如く、己が為に一切に施せば、報を得ること芥子の如し」
*観智院本三宝絵〔984〕上「三千大千世界の中に芥子許も身を捨て給はぬ无し」
*曾我物語〔南北朝頃〕一・伊東二郎と祐経が争論の事「年貢所当におきては、けしほどものこらず、横領する間」
*随筆・独寝〔1724頃〕下・九八「堪忍記などいふ物かきしものの智は、芥子の中に住居する人の如し。博き事をしらず」
 
④鎧(よろい)などに、こまかい鋲(びょう)をけし粒のついたように打って、飾りとしたもの。
 
⑤「けしだま(芥子玉)」の略。
 
⑥(そのさまが(2)の果実に似ているところからいう)「けしぼうず(芥子坊主)」の略。
*狂歌・徳和歌後万載集〔1785〕七「ことしよりつむりにけしを置そめて千代万代の数とりにせん」
*随筆・守貞漫稿〔1837〜53〕八「今世士民の男女出産して第七日にて初て髪を剃り百会に髪を残すを芥子と云」
 
⑦「けしかむろ(芥子禿)」の略。
*歌謡・松の葉〔1703〕二・しののめ「外面にしげき市人と、共に売り来るけしの花」
*雑俳・柳多留‐五九〔1812〕「花の里芥子からそたつ女郎花」
 
⑧(頭髪を芥子坊主のようにしていることから)唐人をあざけっていった語。
*雑俳・柳多留‐一二三〔1833〕「丸山の畑に芥子の種を蒔」
 
⑨婦人が髪を結うのに、頭頂の毛を少しばかり束ね結ぶもの。(2)の果実に類似しているところからの名。
*随筆・守貞漫稿〔1837〜53〕一一「ぐるり落し〈略〉是は正中の芥子を取るのみにて一つに出す也」
 
⑩「けしぐくり(芥子括)」の略。

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