ぎょう【行】

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数え方(読み方)・単位

一行(いちぎょう)

解説

意味

①仏語。
 
(イ)({梵}造作(ぞうさ)の意)十二因縁の一つで、善悪のいっさいの行為をいう。転じて、いっさいの移り変わる存在の意にも用いる。
*正法眼蔵〔1231〜53〕仏教「十二因縁といふは一者無明、二者行、三者識、四者名色、五者六入」
 
(ロ)({梵}carita の訳語。行為、実践の意)悟りに到達するための修行。
*続日本紀‐天平神護二年〔766〕一〇月二〇日・宣命「菩薩の行を修ひ、人を度し導かむ」
*今昔物語集〔1120頃か〕五・一一「我、首を剃れりと云へども、未だ行(ぎゃう)无し」
*平家物語〔13C前〕五・文覚荒行「熊野へまゐり、那智ごもりせんとしけるが、行の心みに、きこゆる滝にしばらくうたれてみんとて、滝もとへぞまゐりける」
 
(ハ)({梵}gamana の訳語)住、坐、臥と共に四威儀の一つで、歩くこと。
 
②令制で官位を称する際、官職と位階が相当せず、位階が官職より高すぎる場合、位階と官職名の間に挿入する語。
*続日本紀‐神護景雲元年〔767〕六月癸未「東山道巡察使正五位上行兵部大輔兼侍従勲三等淡海真人三船」
 
③ながくつらなること。並び。列。行列。
*尋常小学読本〔1887〕〈文部省〉四「一行の鴈、田に下りんとして、にはかにおどろき、行をみだして飛び去るを見たり」
 
④文字の縦または横の並び。くだり。
*色葉字類抄〔1177〜81〕「行 キャウ 文字之行也」
*車屋本謡曲・草子洗小町〔1570頃か〕「唯今の万葉の草子を能能見候へば、行の次第もしどろにて」
*冬の宿〔1936〕〈阿部知二〉二「今何を習ってゐるか、などを長く書き立てて、もうその人に習ふのが、何よりも楽しみである、と書いてゐた。私はその行(ギャウ)の間に空々(そらぞら)しい心情をみた」
 
⑤哲学で、行為、実践をいう。
 
⑥雅楽の楽器、笙(しょう)の管名。また、その管の出す音名で、高いイ音。さらに、この音を根音とした五つの音で構成された一つの和音の名をもいう。
 
⑦雅楽の琵琶で、第三弦の放弦音。楽譜では「行」の扁の略記である「ク」を書く。
 
⑧「ぎょうしょ(行書)」の略。
*才葉抄〔1177〕「真の筆は立つべき也。行の筆はひらむべき也」
*随筆・折たく柴の記〔1716頃〕上「日のうちには、行・草の字三千、夜に入りて、一千字を限りてかき出すべし」
 
⑨数学で、行列または行列式の横の並びをいう。
 
⑩(行書のように柔らかみがあるところからいう)神伝流泳法の一つ。

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