き【木】

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【数え方・単位】

一本(いっぽん)、一石 (いっこく)

【解説】

背の高い木や細長い木は「本」、低木や茂みは「株」で数えます。「樹」「木」は共に樹木を雅語的に数える語です。板状の材木は「枚 (まい) 」でも数えます。「石」は材木を計る単位です。「1石」は10立方尺(約0.28m3)。

【意味】

①地上部の茎が木質化している多年生の植物。茎の大小長短により、低木(灌木)と高木(喬木)の二類に分けるが、多くは高木をさしていう。樹木。木本。
*古事記〔712〕下・歌謡「川の辺に 生ひ立てる 烏草樹(さしぶ)を 烏草樹の紀(キ)」
*万葉集〔8C後〕二・一〇一「玉かづら実成らぬ樹(き)にはちはやぶる神そ著くといふ成らぬ樹(き)ごとに〈大伴安麻呂〉」
*古今和歌集〔905〜914〕雑下・九五九「木にもあらず草にもあらぬ竹のよのはしにわが身はなりぬべら也(よみ人しらず)」
*伊勢物語〔10C前〕九「さはのほとりの木のかげにおりゐて、乾飯食ひけり」
 
②古くは、草や海藻をも含めた植物一般をいう。
*古事記〔712〕上・歌謡「山県に 蒔きし 藍蓼(あたて)舂(つ)き 染(そめ)紀(キ)が 汁に」
*古事記〔712〕下・歌謡「由良の門(と)の 門中の海石(いくり)に 振れ立つ 漬(なづ)の紀(キ)の さやさや」
 
③家屋、船、器具などの建築、建造、製作に用いる材木。生木を加工したものをいう場合が多い。木材。用材。
*万葉集〔8C後〕三・三九一「とぶさ立て足柄山に船(ふな)木(ぎ)伐り樹(ぎ)に伐り行きつあたら船材(ぎ)を〈満誓〉」
*催馬楽〔7C後〜8C〕奥山「奥山に 支(キ)伐るや翁(をぢ) 支(キ)やは削る」
*枕草子〔10C終〕二四四・蟻通の明神「つやつやとまろにうつくしげに削りたる木の二尺ばかりあるを、『これが本末いづかた』と問ひに奉れたるに」
 
④燃料としての薪(まき)。たきぎ。
*浮世草子・西鶴織留〔1694〕五・二「布織て、碓(からうす)ふんで、子守して、木を割て、是程置徳(おきどく)成ものはなし」
*浮世草子・小児養育気質〔1773〕五・一「家業は炭、木、柴(しば)の小商にて店借の者ゆへ」
*雑俳・机の塵〔1843〕「ヲヲしん気・薪(キ)が生しいで竹礫」
 
⑤(「柝」とも表記)歌舞伎、浄瑠璃や相撲場で用いる拍子木(ひょうしぎ)。また、それを打つこと。開幕、閉幕、その他の合図や音響効果を出すためのもの。
*歌舞伎・勧進帳〔1840〕「あと木なしにて幕」
*歌舞伎・与話情浮名横櫛(切られ与三)〔1853〕二幕「トこんな捨ぜりふをいいながら、真中の歩みまで来ると、木なしにて道具変り、浅黄幕切って落す」
*恋慕ながし〔1898〕〈小栗風葉〉三一「唯(と)ある新道(しんみち)の角の、御贔屓様(ごひいきさま)、御一枚、と柝(キ)を鳴らしてゐる仮声使(こはいろづかひ)の後を曲って」
 
⑥香木。名(な)の木。
*浮世草子・傾城新色三味線〔1718〕四・江戸・二「下は黄むく、上は当流の達(だて)もやう、木(キ)も目買程成をたきしめ」
 
⑦江戸時代、三味線の象牙の撥(ばち)をいう通人の語。
*洒落本・傾城買四十八手〔1790〕真の手「盃台の上へ置しばちをとってひくまねをして『こいつァいい木(キ)だ』ぞうげを木と云も通言なり」
  
⑧磔(はりつけ)の刑に用いる十字架。
*有明集〔1908〕〈蒲原有明〉苦悩「神よ此身をば磔(キ)にも架(か)けね」
 
⑨拍子木を図案化した紋所。違い木、丸に一つ木、三つ木、三つ組木などがある。

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