きかん【機関】

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数え方(読み方)・単位

一つ(ひとつ)、一機関(いちきかん)

意味

①仏語。禅宗で、師が学人を導くのに用いる、一喝、一棒など、巧妙な方法手段をいう。

*正法眼蔵〔1231〜53〕全機「いまの生はこの機関にあり、この機関はいまの生にあり」
*伝光録〔1299〜1302頃〕投子和尚「実にこれ祖師の機関、したしく庫蔵を打開せしむるに、一機をかへさず、一言をいださざるところに、覚了しきたり明徹にもてゆく」
*卍庵仮名法語〔18C中か〕「難透難解の機関、理致意識妄解して透脱と称す」
 
②活動の装置を施したもの。しかけのある機械。からくり。

*落葉集〔1598〕「機関 きくはん」
*西国立志編〔1870〜71〕〈中村正直訳〉二・一三「抑もこの機器その制甚だ精密なるが故に、ただ一槌を受るのみにて、全体の機関(〈注〉カラクリ)これが為に廃して無用の物となる」
*西京繁昌記〔1877〕〈増山守正〉初・下「或は座下円板枢柱を設け、中れば則旋回するの機関あり」
 
③心中の計略。たくらみ。
*読本・昔話稲妻表紙〔1806〕一・三「胸中の機関(キクヮン)」
 
④火力、電力、水力などのエネルギーを受け、これを機械的エネルギーに変えて他へ送る機械装置。原動機。
*西洋事情〔1866〜70〕〈福沢諭吉〉初・三「千七百六十年にはハルグリーウ氏、紡績の機関を発明し」
*思出の記〔1900〜01〕〈徳富蘆花〉六・一九「やうやうペンキの臭と機関の響に馴れて」
 
⑤「きかん(器官)」に同じ。
*英和対訳袖珍辞書〔1862〕「Organ 五官、機関 身体ノ」
*泰西勧善訓蒙〔1873〕〈箕作麟祥訳〉一・三九「人其飲食を節するは其情欲を制する徳の一なり若し之を節することなく貪飽する時は其健康を害し疾病を醸し身体の機関を損するに至る可し」
*改正増補物理階梯〔1876〕〈片山淳吉〉中・二八「其十は視神経にして光線網膜に達し〈略〉之を脳に伝へ以て精神の思慮を喚起する機関なり」
 
⑥法人や団体などが意思を決定したり、実行したりするために設けた組織。その形態や性格によって国家機関と私人機関、合議機関と単独機関、意思機関と執行機関などに分けられる。
*雪中梅〔1886〕〈末広鉄腸〉下・五「政事上のことは言ふまでもなく何事を為すにも機関がなければならぬものだ」
*思出の記〔1900〜01〕〈徳富蘆花〉三・六「校内の機関が兎角面白く運転せず」
*帝都復興に関する詔書‐大正一二年〔1923〕九月一二日「速に特殊の機関を設定して、帝都復興の事を審議調査せしめ」
 
⑦一般に、あるはたらきのために設けた組織。
*一年有半〔1901〕〈中江兆民〉一「今や経済界の附属品たる交通運輸の機関は日々に具備して」

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