数え方(読み方)・単位
一枚(いちまい)
意味
①衣服。着物。特に、上半身からおおって着るものを総称していう。また、衵(あこめ)、かずきなどもいう。→きぬ(衣)着す。
*万葉集〔8C後〕一四・三四五三「風の音の遠き我妹子が着せし伎奴(キヌ)たもとのくだりまよひきにけり〈東歌〉」
*源氏物語〔1001〜14頃〕帚木「きぬの音なひ、はらはらとして」
*更級日記〔1059頃〕「山の姿の〈略〉色濃ききぬに、白きあこめ着たらむやうに見えて」
*義経記〔室町中か〕二・鏡の宿次が宿に強盗の入る事「鉄漿(かね)黒に眉細くつくりて、きぬうちかづき給ひけるを見れば」
②動植物の肉をおおっているもの。動物の羽毛、皮、また植物の外皮、特に芋の子の皮など。
*枕草子〔10C終〕一五一・うつくしきもの「にはとりのひなの、足高に、しろうをかしげに、きぬみじかなるさまして、ひよひよとかしがましう鳴きて」
*古活字本荘子抄〔1620頃〕九「我は蜩のぬけから〓のきぬなどの如し」
③なにもついていない肉体のはだ。地はだ。
*枕草子〔10C終〕三・正月一日は「舎人の顔のきぬにあらはれ、まことにくろきに、しろき物いきつかぬ所は雪のむらむら消えのこりたるここちして」
語源
上代では日常の普段着。旅行着や外出着は「ころも」といった。そのため「きぬ」は歌ことばとはならなかったようで、複合して「ぬれぎぬ」以外は三代集以降姿を消す。院政期以降は衣服の総称でなくなり、「絹」の意の例が見えはじめ、軍記物語では上層階級や女性の着衣の意味で用いられている。語源上は、材質の「絹」とかかわるか。下層階級の衣服は「いしゃう」であった。

