きょうぎ【経木】

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数え方(読み方)・単位

一枚(いちまい)

解説

スギやヒノキを薄く削ったもので、「枚」で数えます。

意味

①鎌倉時代より、追善供養や逆修のために、杉などを薄く削った木片に経文を記したもの。
*実隆公記‐享祿元年〔1528〕閏九月二日「法花経経木百五十把到来、代十疋半遣之、経木皆到来也」
 
②杉、檜などを長方形に薄く削ったもの。元来(1)に用いたが、のち、菓子、魚などを包んだり、舟などの形にして食品を入れたりするのに用いるようになった。かんなかけ。へぎ。
*運歩色葉集〔1548〕「経木 きゃうギ」
*読本・椿説弓張月〔1807〜11〕残・六〇回「太山樒(みやましきみ)を伐とりて、九本の経木(キャウギ)を削作(けづりな)し、按司王女のおん為に谷河に推ながすに」
*或る女〔1919〕〈有島武郎〉前・二〇「水々しい葡萄やバナナを器用な経木(キャウギ)の小籃(こかご)に盛ったり」
*青べか物語〔1960〕〈山本周五郎〉朝日屋騒動「あさ子は五色揚を経木に幾つか包んで亭主に渡す」
 
②読経の時に打つ拍子木。音木(おんぎ)。

語源

①元興寺(がんごうじ)極楽坊に残る〓(こけら)経は、室町時代の一四五〇年頃を境に、時代の古いものは細く厚いが、新しくなるにつれ幅広で表面の滑らかな薄手のものになる。これは台かんなの出現による。経木では、かんなを下の台に固定して上に木を置き押して削る。これによって、嘉永五年(一八五二)には、現在一般に経木といわれる食品を包む薄経木が考案される。食品の包装には、それまで竹(マダケ)の皮が用いられていたが、嘉永四年(一八五一)関東一円で竹皮の不足が生じ、これを契機に武州月輪の宮嶋勘左衛門が竹皮の代用品として作り始めたのが薄経木の始まりで「枇木(ひぎ)」という名称で売り出された。
 
②薄経木という名称が確立するまで、呼称はできた土地で思い思いにつけられたのでまちまちであった。例えば、東京「経木(きょうぎ)」、群馬「経木(へぎ)」、栃木「木皮(きっかわ)」、岩手「径木(けいぎ)」、秋田「べら」、青森「鉋殻(かんながら)」、北海道「薄皮(うすかわ)」等である。薄経木という名称は、長野県で昔から折箱の材料を作っており、後から包み経木を作った時、区別するために厚と薄といったのが始まり。この名称が確定したのは、第二次世界大戦中、公定価格を指定する必要上、厚経木、薄経木に全国統一されてからである。

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