こも【薦/菰】

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数え方(読み方)・単位

一枚 (いちまい) 、一節 (いっぷ)

解説

荒く織った筵 (むしろ) のことで、「枚」で数えます。薦・筵などを編んだ編み目・結い目は「節 (ふ) 」で数えます。

意味

①(菰)植物「まこも(真菰)」の古名。《季・夏》
*出雲風土記〔733〕秋鹿「恵曇(ゑとも)の池、陂(つつみ)を築(つ)く。周(めぐ)り六里なり。〈略〉四辺(めぐり)に葦(あし)、〓(こも)、菅(すげ)生ふ」
*万葉集〔8C後〕七・一三四八「三島江の玉江の薦(こも)を標めしより己がとそ思ふいまだ刈らねど〈作者未詳〉」
*拾遺和歌集〔1005〜07頃か〕雑賀・一一七二「心ざしふかきみぎはにかるこもはちとせのさ月いつかわすれん〈道綱母〉」
*宇治拾遺物語〔1221頃〕一四・三「あし、こもなどいふ物、おひしげりたりけるを見て、汀(みぎは)ちかくたてりけるに」
 
②まこもを粗く織って作ったむしろ。今は藁(わら)を用いる。こもむしろ。
*万葉集〔8C後〕一一・二五三八「独り寝(ぬ)と薦(こも)朽ちめやも綾席(あやむしろ)緒になるまでに君をし待たむ〈作者未詳〉」
*延喜式〔927〕三三・大膳「青〓(こも)十一囲、生絲三両一銖」
*十巻本和名類聚抄〔934頃〕六「薦 唐韻云薦〈作甸反 古毛〉席也」
*海道記〔1223頃〕豊河より橋本「日比の苦に七編の薦の席に夢みるといへども」
*日葡辞書〔1603〜04〕「Como (コモ)〈訳〉藁筵の粗くて粗末なもの」
*俳諧・炭俵〔1694〕下「桜木や菰張まはす冬がまへ〈支梁〉」
*幼学読本〔1887〕〈西邨貞〉五「採りたる葉は其の後、先きを揃へて、土間に積み重ね、上に薦を懸けて一、両日其のままに置く」
 
③植物「こもくさ(薦草)」の略。
*享和本新撰字鏡〔898〜901頃〕「藺 己毛」
 
④「こもかぶり(薦被)(2)」の略。
*雑俳・ぎんかなめ〔1729〕「橋にねて菰どしゑいぐゎ物がたり」
*雑俳・柳多留‐三〔1768〕「橋のこもでっちに見せてあれだぞよ」
 
⑤(「虚無」とも書く)「こもそう(薦僧)」の略。
*文明本節用集〔室町中〕「普化 コモ 或作薦(コモ)」
*三十二番職人歌合〔1494頃〕六番「虚妄僧 花ざかりふくとも誰かいとふべき風にはあらぬこもが尺八」
 
⑥江戸時代、夜、道ばたで客をひいた下級の売春婦。こもむしろを持っていたところからいう。

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