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こと 【事】

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数え方(読み方)・単位

一つ(ひとつ)、一件(いっけん)

解説

広く出来事について、事件・事故・きっかけ・変化など、出来事は「つ」「件」で数えます。
⇒できごと(出来事)

意味

形をもった「もの」に対し、そのものの働きや性質、あるいはそれらの間の関係、また、形のつかみにくい現象などを表わす語。
 
①人のするわざ、行為。
 
(イ)人の行なう動作、行為を一般的に表現する。
*万葉集〔8C後〕一八・四〇九四「我が大君の 諸人(もろひと)を いざなひ給ひ 善(よ)き事を はじめ給ひて〈大伴家持〉」
*古本説話集〔1130頃か〕二八「姫君は、髪をふりかけて、泣き給ふよりほかの事なし」
*徒然草〔1331頃〕一二二「次には手書く事、むねとする事はなくともこれを習ふべし」
 
(ロ)古くは、特に、公的な行為、たとえば、政務、行事、儀式、刑罰などをさしていう。
*万葉集〔8C後〕一七・四〇〇八「大君の 命(みこと)かしこみ 食(を)す国の 許等(コト)取り持ちて〈大伴池主〉」
*枕草子〔10C終〕一七七・六位の蔵人などは「夜は門(かど)強くさせなど、ことおこなひたる、いみじう生ひ先なう、心づきなし」
*苔の衣〔1271頃〕一「殿にはさるべき人々参りつどひ給ひて御ことども始まりたる、儀式おろかならむやは」
*増鏡〔1368〜76頃〕一五・むら時雨「かねてより宣旨に従へりしつはものどもを忍びて召す。源中納言具行とりもちてこと行なひけり」
*役者論語〔1776〕あやめぐさ「女形(おやま)にて大殿の前へ出、夫に成かはって事をさばくといふやうなる女家老の役あり」
 
(ハ)ある特定の行為を実質化せず、形式化して表現する。
*万葉集〔8C後〕一四・三四一八「上毛野(かみつけの)佐野田の苗のむらなへに許登(コト)は定めつ今はいかにせも〈東歌・上野〉」
*源氏物語〔1001〜14頃〕紅葉賀「この御事の、十二月(しはす)も過ぎにしが心もとなきに、この月はさりとも、と宮人も待ち聞こえ、内にもさる御心設けどもあり、つれなくてたちぬ」
*古今著聞集〔1254〕二〇・二七〇「白拍子太玉王(ふとだまわう)が家にある女に、ある僧通ひけるを〈略〉この僧、彼女に合宿してことども企てけるが、その女をこそするに、本妻をする心ちに覚えければ」
 
(ニ)「…をことにす」「…をことにて(あり)」などの形で、それを唯一の仕事にしている、その行為に没頭している、それにかかりきりである、などの意味を表わす。
*蜻蛉日記〔974頃〕中・天祿二年「明くれば起き、暮るれば臥すをことにてあるぞ、いとあやしく覚ゆれど」
*宇津保物語〔970〜999頃〕菊の宴「大殿のは、かたがたにもまうのぼり給ふこともなくて、さがなさをのみぞことにはせらるめれ」
*源氏物語〔1001〜14頃〕紅葉賀「例のひまもやとうかがひありき給ふをことにて、大殿にはさわがれ給ふ」
*宇治拾遺物語〔1221頃〕二・一二「別(べち)にする事もなくて、卒都婆(そとば)を見めぐるを事にて、日々にのぼりおるるこそあやしき女のわざなれ」
 
②多くの人々のなす行為、世の中に起こる現象などをさしていう。
 
(イ)諸事件、世の現象。
*万葉集〔8C後〕五・八〇五「常盤(ときは)なすかくしもがもと思へども世の許等(コト)なればとどみかねつも〈山上憶良〉」
*徒然草〔1331頃〕二五「飛鳥川の淵瀬常ならぬ世にしあれば、時移り事去り、楽しび悲しび行きかひて」
 
(ロ)事態、もろもろの行為の結果としての状態。
*万葉集〔8C後〕一一・二四三〇「宇治川の水沫(みなあわ)さかまき行く水の事かへらずそ思ひそめたる〈人麻呂歌集〉」
*源氏物語〔1001〜14頃〕薄雲「ことのたがひ目ありて大臣(おとど)よこさまの罪にあたり給し時」
*あさぢが露〔13C後〕「中将殿も此の人のことと聞き驚き給てぞことのありさまも語り聞こえ給ふ」
 
(ハ)事情、有様、状況、種々の事態の内実や、その様子、内容、理由などを表わす。
*平中物語〔965頃〕二五「ことのあるやう、ありし事など、もろともに見ける人なれば」
*源氏物語〔1001〜14頃〕夕顔「されど、よそなりし御心惑ひのやうにあながちなる事はなきも、いかなる事にか、と見えたり」
*篁物語〔12C後か〕「すなほなりける人にて、こと隠して言ひければ」
*歌舞伎・幼稚子敵討〔1753〕六「惣体(そうたい)一色(いっしき)と云物を、事を知らねば挿さぬ物じゃ」
*読本・椿説弓張月〔1807〜11〕拾遺・四九回「軍師いかなれば我を見ることの等閑(なほざり)なる。用ると用ざるとは縡(コト)の便宜を択(えらむ)べし」
*滑稽本・浮世風呂〔1809〜13〕前・上「出入の人数からかけては 事(コト)も大造(たいそう)だてネ」
*魔風恋風〔1903〕〈小杉天外〉後・まよひ「其の殿井の深切な次第(コト)を話すと」
*無関係な死〔1961〕〈安部公房〉「はじめて事の重大さに思い至ったものだ」
 
(ニ)事件、出来事、変事。特別な用事。「ことあり」「こと出ず」「ことにのぞむ」「ことに遇う」などの形のときは、事件、変事などの意を表わし、「こととする」「ことと思う」などでは、重要な事態の意で用いられ、指定の助詞・助動詞を伴って述語になるときは、大変だの意となる。
*万葉集〔8C後〕四・五〇六「我が背子(せこ)は物な思ひそ事しあらば火にも水にも我が無けなくに〈安倍女郎〉」
*源氏物語〔1001〜14頃〕紅葉賀「しばしばも侍ふべけれど、ことぞと侍らぬほどは、おのづから怠り侍るを」
*宇治拾遺物語〔1221頃〕一・五「あさましと人共聞きて山伏が顔を見れば、すこしも事と思ひたるけしきもせず」
*浄瑠璃・曾我会稽山〔1718〕四「それやこそ事よ、アア気づかひ、一走いて見てこうか」
*真景累ケ淵〔1869頃〕〈三遊亭円朝〉六「格別のお慈悲を以て所払ひを仰せ付けられまして其一件(コト)は相済みましたが」
*二人女房〔1891〜92〕〈尾崎紅葉〉中・七「少し放神(ぼんやり)してゐると、さあ事だといふ始末になる」
*春潮〔1903〕〈田山花袋〉一六「何か事があるといふのは一眼で分る」
 
③明確に言える物を、不明確な事態であるかのようにぼかしてさしていうのに用いる。

(イ)人をさして、その人に関する事柄をも含めて漠然という。
*源氏物語〔1001〜14頃〕明石「中々かかる物の隈(くま)にぞ思ひのほかなる事もこもるべかめる、と心づかひし給て」
*源氏物語〔1001〜14頃〕椎本「心苦しうてとまり給へる御ことどもの、ほだしなど聞こえむはかけかけしきやうなれど」
*狭衣物語〔1069〜77頃か〕一「さるは御心にもこのことの人に勝れめでたきなど、わざと思すべきにはあらねども」
 
(ロ)生命のこと、また、死のことをいう。「こと切れる」などの形で、命の絶えることをいうのに用いる。
*源氏物語〔1001〜14頃〕幻「いみじきことの閉ぢめを見つるに、宿世の程も〈略〉残りなく見果てて」
*実隆公記‐延徳三年〔1491〕六月二一日「六月廿一日〈略〉楽林軒入来、北小路殿已有御事歟、後聞、今朝御事云々、春秋八十四才」
*御湯殿上日記‐天正一四年〔1586〕七月二四日「くれくれに御こと卅五にてきれおはしまして」
 
(ハ)食事をさしていう。後には、僧の夜食をいう。
*源氏物語〔1001〜14頃〕手習「粥(かゆ)などむつかしきことどもをもてはやして、御前にもとく聞こしめせ、など寄り来て言へど」
*散木奇歌集〔1128頃〕連歌「人のことしたりけるにくだ物の中に梨の有けるに」
*古今著聞集〔1254〕一八・六二〇「左京大夫顕輔卿のもとへ或人ことをして送りたりけるに〈略〉僧どもおほらかに食ひけるを」
*雑談集〔1305〕三・阿育大王事「昔は寺々只一食(じき)にて、朝食(あさげ)一度しけり、次第に器量弱くして、非時と名づけて日中に食し、後には山も奈良も三度食す。夕べのをば事と山には云へり、未申(ひつじさる)の時ばかり非時して、法師原坂本へ下りぬれば、夕方寄り合て事と名づけて、我々世事して食すと云へり」

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