こうがい【笄】

《スポンサードリンク》
 

数え方(読み方)・単位

一本(いっぽん)

解説

髪をかき上げたり、髪に差して用いたりする道具で、「本」で数えます。

意味

①髪をかきあげるのに用いる細長い具。男女共に用いた。箸(はし)に似て、根もとが平たく先端は細く、ふつう、象牙(ぞうげ)や銀で作る。
*宇津保物語〔970〜999頃〕祭の使「侍従、りんたんの花おし折りて、白き蓮の花に、かうがいの先して、かく書きつけて奉る」
*源氏物語〔1001〜14頃〕真木柱「ひめ君、檜皮(ひわだ)色の紙のかさね、ただ、いささかに書きて、柱の干割れたるはざまに、かうがいの先して、押し入れ給ふ」
*大鏡〔12C前〕四・道隆「さる御用意はならはせたまへれば、御くし・かうがいぐし給へりけるとりいでて、つくろひなどして」
*名語記〔1275〕九「髪をわくる、かうがい、如何。櫟鬢刷とかけるは、かれが名歟。かむがふる心歟。検也。勘也。考の義歟」
 
②後世、女性用髪飾りの一つ。髷(まげ)などに差すもの。金、銀などの金属、鼈甲(べっこう)、水晶、瑪瑙(めのう)などで作り、いろいろの形式がある。
*歌舞伎・韓人漢文手管始(唐人殺し)〔1789〕一「『はて、大事ないわいナア』『それでもつんと』ト笄にて頭を掻く」
*縮図〔1941〕〈徳田秋声〉裏木戸・一六「根掛、櫛、笄(カウガイ)、腕時計といった小物を一切くるめて返すやうに」
 
③刀の鞘(さや)の付属品の一つ。金属で作り、刀の差表(さしおもて)に挿しておき、髪をなでつけるのに用いる。中世以降のものはほとんど実用の具ではなく、装飾品として、高彫の文様が施され、小柄、目貫と組合わされて用いられている。また、江戸時代、割笄(わりこうがい)といって二本に割ったものを作り、箸の用とすることもある。
*十訓抄〔1252〕一〇・行成為実方被打落冠事「冠して守刀よりかうがいぬき取て、びんかいつくろひて」
*曾我物語〔南北朝頃〕六・弁才天の御事「時致、これにありとしられんために、かうがひにて、障子ごしに、袴の着際をさしければ」
 
④紋所の名。笄の形にかたどり、いろいろの形に組み合わせたもの。丸に笄、丸に違い笄、笄車などの種類がある。

《スポンサードリンク》
 



数え方人気 [TOP50]ビジネス文書数え方
季節用語の数え方名数一覧(1~100)