こうもり/コウモリ【蝙蝠】

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数え方(読み方)・単位

一匹 (いっぴき) 、一羽 (いちわ)

解説

哺乳類 (ほにゅうるい) ですが、鳥の翼に似た前足を広げて飛ぶことから、「羽」で数えることもあります。

意味

翼手目に属する哺乳類の総称。一八科約一〇〇〇種。体はネズミに似ているが、前あしが著しく発達し、指の間から体のわきに飛膜があり翼をかたちづくる。多くの種では後あしと尾のあいだにも膜がある。後あしの五本の指はかぎ状で、木や岩などにぶらさがるのに適する。大型の大翼手類と小型の小翼手類に大別される。

前者は視覚が発達しているが、後者は視覚が弱く、声帯から特別な超音波を出し、その反射を耳でとらえて距離をはかりながら飛ぶ。昼は岩穴や屋根裏などに潜み、夕方から飛び出して食物をとる。大きさは翼の開張一・七メートル、体長四〇センチメートル、体重九〇〇グラムに達するジャワオオコウモリから、翼開張一六センチメートル、体長三センチメートル、体重二グラム以下(哺乳類中最小)のブタバチコウモリまである。かわほり。かくいどり。へんぷく。てんそ。こうぼり。学名はChiroptera 《季・夏》
 
*愚迷発心集〔1213頃〕「猥しく比丘と号すれども甚蝙蝠の如し、剰仏子と称す、恐くは慚愧すべし」
*伊京集〔室町〕「蝙蝠 カウモリ」
*四河入海〔17C前〕三・一「こうもりが飛まわるぞ」
*俳諧・毛吹草〔1638〕五「蝙蝠(カウモリ)が王する里か郭公〈弘永〉」
*日本読本〔1887〕〈新保磐次〉四「南の方にかふもりの如き島あり」

語源

①動物の分類としては哺乳類に属するが、前肢が翼となって鳥のように空中を自由に飛行するので、古くからしばしば、似て非なるもの、都合で所属を変えるものなどのたとえに用いられる。挙例の「愚迷発心集」などがこれである。
 
②古形のカハホリから現在の形のコウモリに至るまで語形が様々に変化した。中古の文献では「カハホリ」の例が多いが、実際の発音はカハボリであった可能性が高い。その後、音韻の変化により、中古から中世にかけて、ハ行転呼によるカワ・ボリ、オ段とウ段の交替によるカワ・ブリ、バ行からマ行への変化によるカワモ・リ、カワ→カウの変化によるカウ・ボリ、カウ・ブリ、カウ・モリなどが生じ、語形が揺れた。全体的には、中世にはカハホリよりもカウモリが多く行なわれるようになり、カウモリが普通語、カハホリは文章語という使い分けも行なわれた。
 
③中世から近世にかけては、カウモリからコーモリへと発音が変化し、近世には完全にコーモリとなったが、仮名遣いの規範意識によって、表記は「カウモリ」のものがほとんどである。近代に入って、カハホリは使われなくなり、コウモリのみが残って現在に至った。ただし、方言では様々な形が残っている。→かわほり・かわぶり。

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