こうざ【高座】

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数え方(読み方)・単位

一台(いちだい)、一段 (いちだん)

解説

意味

①天皇や将軍が謁見の時などにすわる御座所。
*御伽草子・富士の人穴草子(室町時代小説集所収)〔室町末〕「かうのとの、とくさいろのかりぎぬめし、かうさになをらせたまいて」
 
②主賓や身分の高い人、または、年輩者などがすわる席。通常は床の間に近い席。上座(かみざ)。上席。
*雑談集〔1305〕九・僧を貴ふ事「内裏に最勝講行はる時は、〈略〉無官なるも高坐(カウサ)に処(しょ)し、御(きみ)の御坐(ござ)て」
*南方録〔17C後〕滅後「軸わきと云ことは、床に付ての名也。高座の軸わき、下座の軸わきあり」
 
③説教などの時、説教師や僧侶などがすわる一段高くしつらえた席。また、その席で説法をすること。
*枕草子〔10C終〕三三・説経の講師は「さばかりして入れば、はじめゐたる人々もすこしうち身じろぎ、くつろい、かうざのもとちかきはしらもとにすゑつれば」
*今昔物語集〔1120頃か〕七・四一「道〓を請じて経を令講しむ。道、高座に登て、始て題を〓(おこ)せるに」
*色葉字類抄〔1177〜81〕「高座 カウザ」
*平家物語〔13C前〕一・願立「結願(けちぐゎん)の導師には仲胤法印〈略〉高座にのぼりかねうちならし」
*増鏡〔1368〜76頃〕一〇・老のなみ「高座はてて後、楽人、酒胡子(しゅこし)を奏す」
*日葡辞書〔1603〜04〕「Coza (カウザ)。タカイ ザ〈訳〉説教壇。そこで説教をする高い場所」
 
④社会的な高い位地。
*コンテムツスムンヂ(捨世録)〔1596〕三・五九「ウマレツキノ シャウワ ヲヲクノ シンルイ、チインノ アルコトヲ ヨロコビ co〓zauo (カウザヲ) タノシミ、ウヂ、シャウニ ヲゴリ タノシミ」
 
⑤講釈師が講釈を行なう一段高い座席。後に寄席で芸人が芸を演ずるために、一段高くした席をいい、また、一般に寄席をもいう。
*洒落本・風俗八色談〔1756〕一・貧乏神の託諠の事「高座(カウザ)の談議に辻談議、并に聴聞衆の噂まで取込たる雑長持(ぞうながもち)」
*雑俳・柳多留‐四〔1769〕「笑ひ止む迄は高座であせをふき」
*安愚楽鍋〔1871〜72〕〈仮名垣魯文〉三・上「夜席(よせき)の出がけなんぞにゃあ牛で杯一(ぱいいち)しめたうへでかけ持なんぞをつとめると高座(カウザ)でどんなにかしゃべりいいかしれやせん」
*田舎教師〔1909〕〈田山花袋〉五「八畳の広間には、中央に浪花節を語る高座(カウザ)が出来て居て」
*暗夜行路〔1921〜37〕〈志賀直哉〉二・一一「同級生の間に寄席行仲間が段々に多くなると〈略〉或時、高座(カウザ)の彼女を見て、『知ってる娘だ』と云ひ出した」
 
⑥銭湯の番台。

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