こや【小屋】

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数え方(読み方)・単位

一軒 (いっけん) 、一棟 (いっとう) 、一棟 (ひとむね)

解説

人が住まない小さな建物なので「軒」「棟 (とう) 」「棟 (むね) 」で数えます。
⇒いおり(庵)
⇒あん(庵)

意味

①小さくて粗末な家。仮に建てた小さな家。陋屋(ろうおく)。かりごや。おや。

*宇津保物語〔970〜999頃〕吹上下「小きこや作りて、こめ据ゑて、物食はせ、衣きせなどして養ふ」
*拾遺和歌集〔1005〜07頃か〕冬・二二三「あしの葉に隠れて住みし津の国のこやもあらはに冬は来にけり〈源重之〉」
*日葡辞書〔1603〜04〕「Coyauo (コヤヲ) カクル、または、コヤガケヲ スル〈訳〉たとえば兵士が戦いの際にするように、短時間で、あるいは野原にあらづくりの家を建てる」
*俳諧・貝おほひ〔1672〕三〇番「御社のおやぢさまも、御感心浅からず。末社の、ほこらの、こやこやまでも」
*即興詩人〔1901〕〈森鴎外訳〉噴火山「この処に山人(やまびと)の草寮(コヤ)あり。兵卒数人火を囲みて聖涙酒を呑めり」
 
②雑物、家畜などをいれておく小さい建物。物置小屋。
 
③平安京の大路に設けられた衛府の役人の夜まわりの詰所。火焚屋(ひたきや)。

*十巻本和名類聚抄〔934頃〕三「助鋪 弁色立成云助鋪〈和名古夜 一云比多夜〉如衛士屋也」
*今鏡〔1170〕六・志賀のみそぎ「広相(ひろみ)の宰相と聞ゆる人のかの博士になり給ひける、こやとかいふ所たちよりてとぶらひたてまつられけるに」
*禁中方名目鈔校註〔1741〜60頃〕上・禁中所々名「小屋(コヤ)〈略〉和名古夜。一云比多岐(ひたき)屋」
 
④(「…小屋」の形で)主な建物に付属して建てられた従者の住居。江戸時代では、藩主の藩邸または城中にあった軽輩の住宅。隣接する小住宅。

*中右記‐寛治三年〔1089〕四月二三日「亥時許法興院焼亡、風大吹、近辺小屋人々小屋等多焼了」
*古事談〔1212〜15頃〕四・聞義家名犯人被捕事「此間近辺小屋に隠居たりける郎等々四五十人許出来、相〓具件犯人〓将去了」
*政談〔1727頃〕四「陣小屋の心持に覚たる故、今に大名の長屋をば小屋と云習す事なれ共」
*尾張藩御小納戸日記寄‐文政三年〔1820〕八月の条「此月、市ケ谷御上屋敷小屋住中間頭鈴木茂兵衛外両人帰国云々」
 
⑤(芝居が、はじめ仮設小屋で興行されたところから)芝居、見世物などの興行に使用する建物。劇場。

*初すがた〔1900〕〈小杉天外〉五「宛然(まるで)劇場(コヤ)が鉢切れ相な騒ぎだってからね」
*青年〔1910〜11〕〈森鴎外〉一「四辻を右へ坂を降りると右も左も菊細工の小屋(コヤ)である」
 
⑥家の屋根と天井の間の部分。あたま。〔日本建築辞彙{1906}〕
*新ぱん普請方おどけ替詞〔1818〜30頃か〕「あたまを、こや」

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