くも【雲】

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数え方(読み方)・単位

一つ(ひとつ)、一片 (いっぺん) 、一本(いっぽん)、一筋 (ひとすじ) 、一条 (いちじょう) 、一抹 (いちまつ) 、一点(いってん)、一座 (いちざ) 、一塊 (ひとかたまり) 、一朶 (いちだ)

解説

雲の形状によって数え方はさまざまですが、青い空に浮かぶ雲を数える場合は「つ」「片」、飛行機雲は「本」「筋」「条」で数えます。快晴の空にわずかに浮かぶ雲は、数詞「一」を伴い「一抹 (いちまつ) 」「一点」と数えます。

入道雲は山に見立てて「座」、まとまった雲は「塊」で数えることもあります。「朶」は木の枝が垂れ下がるという意味で、花や雲のかたまりを雅語的に数える語です。

意味

①大気中の水蒸気が冷却、凝結し、微細な水滴や氷片の大集団となって空中に浮游しているもの。形によって巻雲、巻積雲、巻層雲、高積雲、高層雲、層積雲、層雲、乱層雲、積雲、積乱雲の一〇種に分類され、高度によって上層雲、中層雲、下層雲に分けられる。

*古事記〔712〕中・歌謡「畝傍山(うねびやま) 昼は久毛(クモ)と居(ゐ) 夕されば 風吹かむとそ 木の葉さやげる」
*万葉集〔8C後〕一四・三五一六「対馬嶺は下雲あらなふ可牟(かむ)の峯にたなびく君毛(クモ)を見つつ偲はむ〈東歌〉」
*十巻本和名類聚抄〔934頃〕一「雲説文云雲〈王分反 和名久毛〉山川出気也」
*蜻蛉日記〔974頃〕中・天祿二年「あけぼのをみれば、霧かくもかとみゆる物たちわたりて、あはれに心すごし」
 
②(①が空にかかっているさまに似ているところから)①にたとえていう。
 
(イ)一面にひろがって霞んだりたなびいたりしているもの。
*夫木和歌抄〔1310頃〕一九「思ふ人心隔てぬかひもなし桜の雲の八重の遠方(をちかた)〈藤原定家〉」
*俳諧・続虚栗〔1687〕春「花の雲鐘は上野か浅草か〈芭蕉〉」
 
(ロ)心の晴れないこと。
*金葉和歌集〔1124〜27〕雑上・五九三「何か思ふ春の嵐に雲晴れてさやけき影は君のみぞ見む〈周防内侍〉」
*山家集〔12C後〕下「雲晴れて身にうれへなき人の身ぞさやかに月の影は見るべき」
*新後撰和歌集〔1303〕釈教・六四七「身を去らぬ心の月に雲(クモ)晴れていつか誠のかげも見るべき〈覚助法親王〉」
 
③(雲の形は常に変化し、定めないところから)頼みがたいこと、あてにならないこと、またあとかたのないことにたとえる。→雲を当て。
 
④①は高所にあるところからたとえていう。
 
(イ)きわめて遠い場所や高い場所。また、天、空。
*浄瑠璃・曾我五人兄弟〔1699頃〕兵者揃へ「鈴鹿の鬼神退治の時、雲を攀(よ)ぢたる旗の上」

(ロ)きわめて高い地位、階級。→雲の上人(うえびと)。
*宇津保物語〔970〜999頃〕楼上下「かねてより雲かかりけるさくら花むべこそ末の小高かりけれ」

(ハ)程度が高く、及びもつかないもの。現実を離れたもの。→雲の上。
 
⑤死人の魂や火葬の煙を(1)に見たてていう。また、死人の魂は昇天して「雲隠(くもがく)る」とも「天翔(あまがけ)る」ともいうのに基づく。

*日本書紀〔720〕斉明四年五月・歌謡「今城なる小丘(をむれ)が上に倶謨(クモ)だにも著(しる)くし立たば何か歎かむ」
*万葉集〔8C後〕三・四二八「隠口(こもりく)の泊瀬の山の山の際(ま)にいさよふ雲は妹にかもあらむ〈柿本人麻呂〉」
*源氏物語〔1001〜14頃〕夕顔「見し人の煙を雲とながむれば夕べの空もむつまじきかな」
*新古今和歌集〔1205〕哀傷・八二一「後朱雀院うせ給ひて〈略〉あはれ君いかなる野辺の烟にてむなしき空の雲となりけん〈弁乳母〉」
*新千載和歌集〔1359〕哀傷・二二三九「程もなく雲となりぬる君なれど昔の夢のここちこそすれ〈後朱雀院〉」
 
⑥京、大坂から漉(す)き出す紙をいう女房詞。
*御湯殿上日記‐長享元年〔1487〕一〇月一日「ひんかしのとうゐんとのより御こふ、くも一御ふた、文にそひてまいる」
 
⑦①をかたどった模様。
*たまきはる〔1219〕「雲つけたるひとへなど重ねて着たりき」
 
⑧紋所の名。一つ雲、降り雲、三つ重ね雲などがある。

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