くに【国】

《スポンサードリンク》
 

数え方(読み方)・単位

一国 (いっこく) 、一か国 (いっかこく) 、一つ(ひとつ)

解説

「国 (こく) 」は国を数える語です。例:「一国一城の主 (あるじ) 」「三国同盟」
国を独立した単位として数える場合は「か国 (こく) 」で数えます。例:「6か国の首脳が会談」「3か国を訪問」

意味

①(天や海に対して)大地。土地。陸地。

*日本書紀〔720〕神代上(水戸本訓)「天照大神〈略〉天石窟(いはや)に入(い)りまして、磐戸(いはと)を閉(さ)して幽(こも)り居(ま)しぬ。故、六合(クニ)の内(うち)、常闇(とこやみ)にして、昼夜の相代(あひかはるわき)も知らず」
*日本書紀〔720〕景行二七年二月(北野本南北朝期訓)「亦土地(クニつち)沃壌(こ)えて曠(ひろ)し」
*出雲風土記〔733〕意宇「(たくぶすま)志羅紀(しらぎ)の三埼を、国(くに)の余(あまり)ありやと見れば、国(くに)の余有り」
*延喜式〔927〕祝詞・祈年祭「天の壁(かき)立つ極み、国(くに)の退(そ)き立つ限り」
 
②一つのまとまりをなした世界の称。想像上の世界などにもいう。「夢の国」、「お伽の国」など。 

*万葉集〔8C後〕五・八六五「君をまつ松浦の浦の少女らは常世(とこよ)の久爾(クニ)の海人(あま)少女かも〈吉田宜〉」
*竹取物語〔9C末〜10C初〕「かのもとの国よりむかへに人人まうでこんず」
*童謡・浜千鳥〔1919〕〈鹿島鳴秋〉「親を探して 鳴く鳥が、波の国から 生まれ出る」
 
③国家。国土。地球上の各政府の統治権下にある土地。また、特に日本国をいう。

*日本書紀〔720〕仁徳五〇年三月五日・歌謡「汝(な)こそは 世の遠(とほ)人 汝こそは 区珥(クニ)の長(なか)人」
*万葉集〔8C後〕一八・四一二二「天皇(すめろき)の 敷きます久爾(クニ)の〈大伴家持〉」
*土左日記〔935頃〕承平五年一月二〇日「わがくににかかるうたをなむ、神代より神もよんたび」
*東大寺本大般涅槃経平安後期点〔1050頃〕二一「王圀(クニ)を有つと雖も、満足すること知らず」
*保元物語〔1220頃か〕上・後白河院御即位の事「国も富み民も安かりき」
 
④天皇の位。また、天皇の政務。→国行なう・国去る・国を譲る。
*随筆・胆大小心録〔1808〕九九「清の二世康〓帝はさりとはさりとは英主也。国とりて後、中土の聖人の道をよく教示して」
 
⑤日本の行政上の一区画をなした土地の称。

*古事記〔712〕上・歌謡「八島久爾(やしまクニ) 妻枕(ま)きかねて 遠遠し 高志(こし)の久邇(クニ)に」
*万葉集〔8C後〕二〇・四三六〇「おしてる 難波の久爾(クニ)に 天の下 治(し)らしめしきと〈大伴家持〉」
*伊勢物語〔10C前〕七二「むかし、をとこ、伊勢の国(くに)なりける女、又え逢はで、隣の国へいくとて」
*観智院本類聚名義抄〔1241〕「郡 クニ コホリ」
*平家物語〔13C前〕一・吾身栄花「日本秋津嶋は纔(わづか)に六十六箇国、平家知行の国卅余箇国」
*尋常小学読本〔1887〕〈文部省〉六「我が国の中にて、甘蔗を培養する国は、薩摩沖縄肥前及び南海道の国々と、伊勢尾張駿河の数国とに過ぎず」
 
⑥国府。また、国司による政治。

*続日本紀‐宝亀七年〔776〕五月戊子「出羽国志波村賊、叛逆、与国相戦、官軍不利」
*竹取物語〔9C末〜10C初〕「国に告げたれども国の司、参で訪(とぶら)ふ」
*更級日記〔1059頃〕「くにの人人集まり来て」
*宇治拾遺物語〔1221頃〕三・一四「尾張守になし給てけり。それに、尾張に下て国行ひけるに、〈略〉国司下りてくにの沙汰どもあるに」
 
⑦任国。領国。知行所。

*土左日記〔935頃〕承平四年一二月二七日「京にてうまれたりし女児、くににてにはかに失せにしかば」
*宇津保物語〔970〜999頃〕藤原の君「若き時よりくにを治め、位まさり、徳の高くなるまで妻もまうけず」
*源氏物語〔1001〜14頃〕空蝉「紀の守くにに下り」
*栄花物語〔1028〜92頃〕つぼみ花「二月以前に造り出ださざらんをば、官(つかさ)を取りくにを召し返しなどせさせ給ひ」
 
⑧守護。守護所。
*政基公旅引付‐文亀三年〔1503〕五月一六日「公方御下知并国之御心得を違背之儀者以外次第候」
 
⑨生国。郷里。故郷。

*古事記〔712〕下・歌謡「沖へには 小舟連らく くろざやの まさづ子吾妹(わぎも) 玖邇(クニ)へ下らす」
*万葉集〔8C後〕二〇・四三五九「筑紫辺に舳(へ)向かる船のいつしかも仕へまつりて久爾(クニ)に舳向かも〈若麻續部羊〉」
*曾我物語〔南北朝頃〕一・おなじく伊東が死する事「祐経をば京都にとどめおき、わが身は、くにへぞくだりける」
*紫〔1901〕〈与謝野鉄幹〉春思「祖国(クニ)に入りて親なき子、掩ふとやいざ倚らむ、おお温き紫の袖」
*魔風恋風〔1903〕〈小杉天外〉前・大決断「また郷里(クニ)へ帰れなどと云ひはしまいか」

*蟹工船〔1929〕〈小林多喜二〉三「こんなことは内地(クニ)さ帰って、なんぼ話したって本当にしねんだ」

《スポンサードリンク》
 



数え方人気 [TOP50]ビジネス文書数え方
季節用語の数え方名数一覧(1~100)