くら【倉/蔵/庫】

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数え方(読み方)・単位

一戸前 (いちとまえ) 、一棟 (いっとう) 、一棟 (ひとむね)

解説

「戸前」は蔵を数える語です。「蔵前」「蔵の入り口の戸の前」に由来します。建物一般を指す「棟」で数えることもあります。

意味

①穀物、商品、財宝などを火災や盗難などから守って安全に保管しておくために造った建物。土蔵、板倉、校倉(あぜくら)などの種類がある。倉庫。

*古事記〔712〕中「夢の教の如(まにま)に、旦に己が倉(くら)を見れば、信に横刀有りき」
*播磨風土記〔715頃〕揖保「桑原の里〈旧の名は倉見の里なり〉。土は中の上なり。品太の天皇、欟折山に立ち御して望み覧たまひし時、森然(いよよか)に倉(くら)見えき。故、倉見の村と名づく」
*万葉集〔8C後〕一六・三八三二「枳(からたち)の棘原(うばら)刈り除け倉(くら)立てむ屎(くそ)遠くまれ櫛造る刀自〈忌部首(名未詳)〉」
*伊勢物語〔10C前〕六「雨もいたう降りければ、あばらなるくらに、女をば奥におし入れて」
*大慈恩寺三蔵法師伝院政期点〔1080〜1110頃〕七「帝の庫(クラ)の内に、多く前代の諸の納有れども」
*韻字集〔1104〜10〕「帑 クラ」
 
②鎌倉時代から室町時代にかけて、金融業者をいう語。土倉(とくら・どそう)。
*大内氏掟書‐一三条・寛正二年〔1461〕七月八日「失物質物にをくとき、その盗人倉へ持来て、をく事は、不〓能〓左右〓」
 
③(「金蔵(かねぐら)」の意から)金銭を手に入れる手づる。金銭の収入源。金づる。
*浄瑠璃・箱根霊験躄仇討〔1801〕七「是からお前はこちの蔵ぢゃ、精出して仕送って貰ふた上博奕の元手も貰はにゃならぬ」
 
④歌舞伎などで、興行の不成立をいう語。転じて、計画していた物事などをやめにすること。おくら。
*西洋道中膝栗毛〔1870〜76〕〈仮名垣魯文〉九・上「お前は馬者の別当にも請とれねへから此対面は蔵(クラ)にしやせう〈かぶき道にてやめになることをくらと云〉」
 
⑤「くらいしょう(蔵衣装)(1)」の略。
*随筆・一話一言〔1779〜1820頃〕補遺・七「蔵衣裳、蔵と計も云ふなり」
 
⑥「ちゅうしんぐら(忠臣蔵)」の略。
*雑俳・柳多留‐四六〔1808〕「元祿に建たる蔵は朽ぬ也」
*滑稽本・八笑人〔1820〜49〕四・下「イヤサ蔵(クラ)でもいいが、五段目なんぞはあんまりしたりねへ」
 
⑦(大黒舞の歌詞「九つここに蔵たてて」から)明治期、京都・大阪地方の呉服商が「九」の意味に用いた語。
 
⑧質屋または銀行をいう、盗人仲間の隠語。〔隠語輯覧{1915}〕

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