くさ【草/艸】

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数え方(読み方)・単位

一本(いっぽん)、一茎 (いっけい)

解説

「茎」は草を雅語的に数える語です。

広く植物について、原則として「本」「株」で数えます。林や草むらなど植物が生い茂る所は「むら」でも数えます。
⇒植物(しょくぶつ)

意味

①植物で地上に現われている部分が柔軟で、木質にならないものの総称。草本(そうほん)。

*万葉集〔8C後〕五・八八六「たまほこの 道の隈廻(くまみ)に 久佐(クサ)手(た)折り 柴取り敷きて 床じもの うち臥(こ)い伏して〈山上憶良〉」
*十巻本和名類聚抄〔934頃〕一〇「草 孫〓曰草〈音早 久佐〉百卉〓名也」
*大唐西域記巻十二平安中期点〔950頃〕「百の卉(クサ)滋く茂くして衆果具に繁し」
*源氏物語〔1001〜14頃〕桐壺「闇にくれてふし沈み給へるほどに、草も高くなり」
 
②①の中で特殊なもの。
 
(イ)何の役にも立たない雑草。はぐさ。
*蜻蛉日記〔974頃〕中・天祿元年「さいつころ、つれづれなるままに、くさどもつくろはせなどせしに」
*謡曲・隅田川〔1432頃〕「わが子と見えしは塚の上の、草茫々としてただ、しるしばかりの浅茅が原と、なるこそあはれなりけれ」
*交隣須知〔18C中か〕二・農圃「耘 クサトレバ イネデモ ザクコクデモ ヨフデケル」
*開化のはなし〔1879〕〈辻弘想〉二「作男の懶惰で、水田に莠(クサ)の生へしを知らざるより」
 
(ロ)屋根や壁の材料に用いる萱(かや)や藁(わら)など。「壁草」「草葺」などと熟して用いることが多い。また、「草の庵(いおり)」と熟合して、粗末な家の意となることがある。
 
(ハ)まぐさ。かいば。
*万葉集〔8C後〕七・一二九一「此の岡に草(くさ)刈る童児(わらは)なしか苅りそね ありつつも君が来まさむ御馬草(みまくさ)にせむ〈人麻呂歌集〉」
*枕草子〔10C終〕一七七・六位の蔵人などは「牛つなぎて、くさなど飼はするこそいとにくけれ」
*史記抄〔1477〕一二・范蔡「秣とて長い草をくわするぞ」
 
(ニ)堕胎(だたい)に使う植物。
*日葡辞書〔1603〜04〕「Cusauo (クサヲ) フルウ〈訳〉女性がある草を用いて堕胎する」
 
(ホ)食用にする菜。
*御湯殿上日記‐文明一二年〔1480〕正月二六日「つうけん寺殿よりくさ、あをのりまいる」
*落葉集〔1598〕色葉字集「菜 な くさ」

③(草に伏してひそみ敵をうかがうところから)戦場で、山野に忍んで敵情をさぐること。また、その者。忍物見(しのびものみ)。
*結城氏新法度〔1556〕二七条「草夜わさ、かやう之義は、あくとう其外走たつもの一筋ある物にて候」
*伊達日記〔1600頃か〕上「草を入、罷出候を見申候て、押切を置、討取たくみを仕〈略〉矢沢と申所へ、草を可仕由相談候」
*北条五代記〔1641〕八・物見武者誉有事「夜に入ば、足軽共さかひ目へ行、草に臥して敵をうかがひ、あかつきには帰る。是れを草共、忍び共名付たり。夜るの草、昼まで残事有」
 
④「くさいろ(草色)」の略。
 
⑤能楽の小道具の一つ。竹に挟んでかついで出る草。「蘆刈」「木賊」「敦盛」などには青いものを用い、「雲雀山」「項羽」などには花を用いる。
 
⑥「しちぐさ(質草)」の略。
*雑俳・柳多留‐九〔1774〕「能草を干したとしゃれる暑気見廻」
 
⑦陰毛。
*雑俳・塵手水〔1822〕「草しげり・もふ母おやと入らぬ風呂」
 
⑧盗人・てきや仲間の隠語。

(イ)東京、浅草をいう。〔特殊語百科辞典{1931}〕

(ロ)(「煙草」を「けむりくさ」と読み、その「けむり」を略して)タバコ。〔日本隠語集{1892}〕

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