数え方(読み方)・単位
一むら(ひとむら)
解説
漢字では「草村」と書かない。「むら」は群生しているものを数える語です。
意味
①草がむらがり生えている所。くさやぶ。
*万葉集〔8C後〕一四・三五三〇「さを鹿の伏すや久草無良(クサムラ)見えずとも児ろが金門(かなと)よ行かくし良(え)しも〈東歌〉」
*源氏物語〔1001〜14頃〕桐壺「くさむらの虫の、声々催し顔なるも、いと立ち離れにくき草のもとなり」
*金光明最勝王経音義〔1079〕「叢 久佐牟良」
*俳諧・猿蓑〔1691〕五「草村に蛙こはがる夕まぐれ〈凡兆〉 蕗の芽とりに行燈ゆりけす〈芭蕉〉」
*小学読本〔1884〕〈若林虎三郎〉三「雛は意の儘に処々の叢の中に入り小虫を求め出しては之を食ひて其の楽、言ふべからず」
*階級〔1967〕〈井上光晴〉六「昼近い時刻で、道端の草むらはもう埃に生気を奪われている」
②草深い田舎。都会からはなれた地方。片田舎。
*夜明け前〔1932〜35〕〈島崎藤村〉第一部・下・一二・六「復古は建武中興の時代とは違って、草叢(クサムラ)の中から起って来た」
③陰毛をいう、花柳界の隠語。