くつわ【轡/銜/勒】

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数え方(読み方)・単位

一本(いっぽん)、一口 (いっこう)

解説

馬の口にくわえさせて手綱をつける馬具の一種で、「本」「口」で数えます。「はみ」ともいいます。
⇒ばぐ(馬具)

意味

①馬の口にはませる金具。口の中に入れる噛(はみ)と、面懸(おもがい)にとりつける立聞(たちぎき)につづく鏡(かがみ)、手綱をつける承〓(みずつき)から成り、鉄または銅でつくられる。鏡の形状により、唐轡(からぐつわ)、鏡轡(かがみぐつわ)、杏葉轡(ぎょうようぐつわ)、木葉轡(このはぐつわ)、出雲轡(いずもぐつわ)などの種類がある。また、材質により、鉄を磨いた白轡、銀銅の銀轡、金銅の金轡、漆(うるし)を塗った塗轡などの類がある。くつばみ。くくみ。
 
*享和本新撰字鏡〔898〜901頃〕「銜 同含也 久豆和」
*宇治拾遺物語〔1221頃〕一五・一二「馬に乗り給ふに、よく臆しけるにや、轡(くつわ)を二たびとりはづし、あぶみをしきりにふみはづす」
*観智院本類聚名義抄〔1241〕「銜 クツハミ クツハ 馬クツハ」
*名語記〔1275〕八「くつわ如何。轡也。かむたるの反はくつ也。わは輪也。又云、かむてふわの反、かむつふわ同」
 
②①につけて、馬の頭上から首にからみつける革や糸の飾りひも。おもがい。
 
③①の承(みずつき)につけて、馬をあやつる綱。手綱。くつわづら。

*岩淵本願経四分律平安初期点〔810頃〕「或有は馬勒・馬控(クツワ)・馬に中る」
*新撰字鏡〔898〜901頃〕「勒 六音轡也 引也 久豆和 又久豆和豆良也」
*十巻本和名類聚抄〔934頃〕五「轡 兼名苑云轡〈音秘 訓久豆和都良 俗云久豆和〉一名〈魚列反〉楊氏漢語抄云〈薑貢二音 和名同上〉一名馬〈和名同上〉」
 
④紋所の名。馬のくつわをかたどったもの。轡、轡菱、内田轡、角轡、陰の轡、花轡などの種類がある。
  
⑤遊女をかかえておく家。遊女屋。また、その家の主人。くつわや。ぼうはち。

*仮名草子・仁勢物語〔1639〜40頃〕下・六五「此の女思ひ侘びて揚屋(あげや)へ行く〈略〉集ひて殿達の御出なれば、轡(クツハ)出て、奥に誘(いざな)ひ入れて退きぬ」
*浮世草子・好色二代男〔1684〕二・四「轡(クツワ)へ金子十両。うちへ同じく五両。勤日(つとめ)大晦日(つこもり)より十五日まで」
*雑俳・鳥おどし〔1701〕「物になる禿死なして泣くくつわ」
 
⑥和菓子の名。「あかだ」と同じく、江戸時代に尾張国(愛知県)津島で、津島神社の県祭(あがたまつり)に参詣する人の、厄病よけ、邪気払いのみやげとしてつくられたもの。油で揚げた米団子で、もと、馬のくつわの形をしていたので、この名がある。

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