まゆ【繭】

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数え方(読み方)・単位

一個(いっこ)

解説

意味

完全変態をする昆虫の幼虫が蛹(さなぎ)になる時に、口から繊維を出してつくるもの。多くは楕円形。中にこもって蛹に変態し、休眠する。また、特に、蚕(かいこ)のものをいい、生糸の原料とする。まよ。まい。《季・夏》

*十巻本和名類聚抄〔934頃〕六「繭 独繭附 説文云繭〈音顕 万由〉衣也」
*大乗掌珍論天暦九年点〔955〕「以て自ら纏裹すること蚕の繭(マユ)に処せるがごとくには非ず」
*枕草子〔10C終〕四・三月三日は「柳などをかしきこそさらなれ、それもまだまゆにこもりたるはをかし」
*俳諧・毛吹草〔1638〕二「蚕(かいこ) まゆは夏」
*尋常小学読本〔1887〕〈文部省〉三「かく糸を出すは、まゆとよべる巣をつくるためなり」

語源

①「まよ」「まい」の語形もある。「まよ」は、「万葉集」に見え、「まゆ」の古形とされる。「まい」は「日葡辞書」に見えるが、この頃の意識としては「まゆ」の方が正しい語形とされている。
 
②現代の方言では、「マイ」を用いる地域も多く見られ、さらに連母音ai が融合した「メー」や「メァー」を用いる地域も見られる。これらの語形で示されるものは、主に蚕が作った繭だと考えられるが、蚕と同じように変態をする昆虫が作った繭も同様に呼ばれる。
 
③成長した幼虫が繭の中にこもると、今度は羽を持って生まれ変わると信じられ、繭は神秘的なものとされてきた。

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