むぎめし/ムギメシ【麦飯】

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数え方(読み方)・単位

一杯 (いっぱい) 、一膳 (いちぜん) など

解説

広く「飯(めし)」について、現代語では「杯」「膳」を用います。改まった場面では、茶碗 (ちゃわん) に盛った飯を「装い」で数えます。古くは椀 (わん) に盛った飯を「飯 (はん) 」でも数えました。食事を意味する場合は「度」でその頻度を表します。「三度の飯」
⇒めし(飯)

意味

①米に麦を加えてたいた飯。また、麦だけをたいた飯。むぎいい。ばくはん。むぎはん。

*天理本狂言・腹不切〔室町末〜近世初〕「むきめし成共しておいてたもれ」
*書言字考節用集〔1717〕六「麦飯 ムギメシ」
*政談〔1727頃〕一「年久江戸に居、百姓の業に遠かれば、麦飯・糧食を否(いや)に思ふより、奉公の先にて行合、夫婦を拵へ、町へ引込、棒手を振、一生を送る」
*雑俳・江戸高点附句集〔1771〕「宗祇自筆て麦めしの礼」
*思出の記〔1900〜01〕〈徳富蘆花〉四・六「麦飯(ムギメシ)藷粥の剰余でも啜らして貰はう」
 
②(吉原の遊女を米(よね)というのに対して、それより劣るの意で)江戸赤坂溜池辺の私娼や娼家をいう語。転じて、下等な遊女や顔の醜い女のたとえにもいう。

*歌舞伎・絵本合法衢〔1810〕四幕「薄穢ないわっちでも、万更腹からの乞食でもねえよ。間にゃア、ちっと麦飯(ムギメシ)も、また薬食ひだわな」
*雑俳・柳多留‐一〇七〔1829〕「麦飯は軽井沢だと知ったふり」
*随筆・花散る里〔1847〕「田町五丁目に有りしを俗に麦飯といいならし〈略〉裏表に五軒づつ軒をならべ」

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