ながれ【流れ】

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数え方(読み方)・単位

一本(いっぽん)、一筋 (ひとすじ) 、一つ(ひとつ)

解説

水の流れは「本」、煙や湯気は「筋」で数えます。「話の流れ」「時の流れ」など、流れをたとえていう場合は「つ」で数えます。

助数詞・単位の「筋」について、定まった形を持たない、細長く切れ切れに伝わり続くものを数えます。安定した形状を持つ細長い物を数える場合は「筋」よりも「本」を用います。

意味

①水などが自然に低い方へと移動すること。また、その状態やそのもの。流水や流勢。

*万葉集〔8C後〕一〇・二〇九二「この川の 行(ながれ)の長く ありこせぬかも〈作者未詳〉」
*源氏物語〔1001〜14頃〕帚木「山のたたずまひ、水のながれ」
*更級日記〔1059頃〕「谷河の流は雨ときこゆれどほかよりけなる在明の月」
*方丈記〔1212〕「ゆく河のながれは絶えずして、しかも、もとの水にあらず」
*俳諧・曠野〔1689〕三・暮夏「河骨に水のわれ行ながれ哉〈芙水〉」
*尋常小学読本〔1887〕〈文部省〉四「清き流れのあたりに行き、水を飲まんとて止まりしに」
 
②杯に残る酒のしずく。→おながれ。
*宇津保物語〔970〜999頃〕蔵開上「今は、みすのうちより、ながれの御かはらけ給はらばや」
*徒然草〔1331頃〕一五八「盃のそこを捨つる事は〈略〉流を残して、口のつきたる所をすすぐなり」
 
③蝋など、とけて垂れ落ちるもの。
*歌舞伎・浮世柄比翼稲妻(鞘当)〔1823〕二番目序幕「蝋燭の流れや紙屑をただ遣るのは惜しい物だ」
 
④時の経過や物事の移り変わり。また、大勢の人が通りを往来するさまのたとえ。
*毛利先生〔1919〕〈芥川龍之介〉「すべてを押し流す『時』の流も、既に時代を超越したこの毛利先生ばかりは、如何ともする事が出来なかったからであらうか」
*崖の下〔1928〕〈嘉村礒多〉「一度根に持った感情が、それは決して歳月の流れに流されて子供の脳裏から消え去るものとは考へられない」
*寝顔〔1933〕〈川端康成〉「観音へ詣でる仲見世通の人の流れは」
*故旧忘れ得べき〔1935〜36〕〈高見順〉二「いにしへより近代に至る英国詩の流れを」
 
⑤血統や系統。また、技芸などの流儀・流派。
*古今和歌集〔905〜914〕仮名序「小野の小町は、いにしへのそとほりひめの流なり」
*大鏡〔12C前〕四・道隆「二位の新発の御ながれにて」
*虎明本狂言・粟田口〔室町末〜近世初〕「『あれにはどのながれぞ』『とうまのぜうがなかれてござる』」
*仮名草子・浮世物語〔1665頃〕一・一「門脇に住みける程に平氏の一族かとも言ふ。それにてはあるまじ。只饅頭を数奇(すき)ければ、源氏のながれなるベし」
 
⑥質物をうけ出す期限が切れて所有権がなくなること。また、そうなった質物。
*俳諧・寛永十三年熱田万句〔1636〕一八「ごみ吹はらひ跡はゆふだち からげ置質のなかれのさび刀〈友重〉」
*浄瑠璃・曾我五人兄弟〔1699頃〕二「貧乏人の衣がへ冬のを夏に置き換へて、七月切りに遣水の流れを買ふて仕立物」
*浄瑠璃・妹背山婦女庭訓〔1771〕二「奈良の町でよい流れ買うてきた」
*滑稽本・浮世床〔1813〜23〕初・上「瓶助が弐分四百に置た流(ナガ)れを、為公が弐分弐朱で引取て」
*道草〔1915〕〈夏目漱石〉七〇「ことによると質の流(ナガ)れかも知れない」

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