なかざし【中差】

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数え方(読み方)・単位

一本(いっぽん)

解説

箙 (えびら) の中に差した戦闘用の矢(征矢 (そや) )のことで、「本」で数えます。

広く矢について、一般的に矢は「本」で数えますが、「筋」「条」でも数えます。蟇目 (ひきめ) の矢20本で「1束 (いっそく) 」、50本で「ひと締め」と数えます。「乗」は矢4本をひとまとまりとする単位です。矢の長さをはかる単位は「伏せ」で、指1本分の幅が「ひと伏せ」です。
⇒や(矢)

意味

①上差(うわざし)以外の矢。すなわち、箙(えびら)の中にさしてある矢。戦闘用の征矢(そや)。

*平家物語〔13C前〕一一・弓流「伊勢三郎義盛、与一がうしろへあゆませよて、御定ぞ、つかまつれといひければ、今度はなかざしとてうちくはせ」
*金刀比羅本保元物語〔1220頃か〕中・白河殿攻め落す事「家季、中差(ナカザシ)にて下野殿を射落奉らんと思へども」
*幸若・敦盛〔室町末〜近世初〕「中さしをまいらせむと弓と矢をうちつがって」
 
②女性の髻(もとどり)の中央に横にさす笄(こうがい)、簪(かんざし)の類。

*人情本・春色江戸紫〔1864〜68頃〕二・一二回「天窓は古風の大丸髷に両天の中ざしは」
*歌舞伎・三国三朝良薬噺(忘れ薬)〔1869〕「おっと中差(ナカザシ)の簪か」
*婦系図〔1907〕〈泉鏡花〉後・八「中指(ナカザシ)の鼈甲の斑を、日影に透かした趣だったが」

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