なつめ/ナツメ【棗】

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数え方(読み方)・単位

①一本(いっぽん)、一株 (ひとかぶ)
②一個(いっこ)

解説

①植物としては「本」「株」で数えます。ナツメの実は「個」で数えます。
②茶入れは「個」で数えます。

意味

①クロウメモドキ科の落葉小高木。ヨーロッパ南東部からアジア東部原産で、古くから栽培され、日本へも古く渡来し、家庭果樹として人家に植えられている。高さ六メートルぐらい。幹にはまばらにとげがあり、一節から二〜三本の小枝が出る。葉は短柄をもち、長さ二〜四センチメートルの先のとがった卵形または長卵形で三脈がめだち、縁に細鋸歯(きょし)がある。初夏、葉腋に淡黄色の小さな五弁花が集まって咲く。果実は長さ約二センチメートルの楕円形で中に紡錘形の大きな核があり、暗紅色に熟し甘酸っぱい味がする。生食するほか、乾果や砂糖漬にしてから干した蜜棗が愛用される。漢方では果実を解熱・強壮剤に用いる。漢名、棗。学名はZizyphus jujuba 《季・秋》
 
*大安寺伽藍縁起并流記資財帳‐天平一九年〔747〕(寧楽遺文)「合水瓶肆拾伍口 仏物卅六口之中〈略〉十九口棗瓶」
*万葉集〔8C後〕一六・三八三〇「玉箒刈り来(こ)鎌麻呂むろの木と棗(なつめ)が本とかき掃かむため〈長奥麻呂〉」
*大智度論天安二年点〔858〕「神は体の中に在ること芥子のごとく、棗(ナツメ)のごとし」
*俳諧・毛吹草〔1638〕二「九月〈略〉胡桃 棗(ナツメ) ありのみ いか栗」
*日本植物名彙〔1884〕〈松村任三〉「ナツメ 棗」
*俳句稿〈正岡子規〉明治三〇年〔1897〕秋「祇園の鴉愚庵の棗くひに来る」
*唱歌・水師営の会見(文部省唱歌)〔1910〕〈佐佐木信綱〉「庭に一本(ひともと)棗(ナツメ)の木、 弾丸あともいちじるく」
 
②染料の一種。棗の果実を乾燥させ、刻み煎じて染汁を作ったもの。茶系統の色。
 
③薄茶器の一種。漆工の容器で、形状が棗の実に似ているので棗形茶入ともいう。室町中期に羽田五郎が創案したといわれる。
*松屋会記‐久政茶会記・天正六年〔1578〕一〇月二七日「薄茶〈略〉なつめ」
*草人木〔1626〕上「いにしへ、なつめは袋をぬひ、侘茶湯の小壺あひしらひにし侍也」
*歌舞伎・助六廓夜桜〔1779〕「背に外郎箱を背負ひ、左手に棗を、右手に扇を開き持ち」
*茶道筌蹄〔1816〕四・同塗物の茶器「棗 紹鴎形 大中小」

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