ぬけがら【抜殻/脱殻/蛻】

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数え方(読み方)・単位

一個(いっこ)、一枚(いちまい)

解説

セミやカニなどの抜け殻は「個」、ヘビなどの紙のように薄いものは「枚」で数えます。

意味

①昆虫や甲殻類などが成長に伴って脱皮する際に残した古い体皮。昆虫が羽化して空(から)になった蛹(さなぎ)、蛇が皮膚を更新するために脱ぎすてた皮などをいう。

*丹後守為忠百首〔1134頃か〕夏「ぬけからは木のもとごとにぬぎすてて知らず顔なる蝉の声々〈藤原俊成〉」
*和玉篇〔15C後〕「セミノヌケガラ」
*日葡辞書〔1603〜04〕「Nuqegara (ヌケガラ)〈訳〉蝉、またはその他の虫が自分で脱いだ殻」
*波〔1928〕〈山本有三〉子・一・一五「卵が成長して孵化しても、その脱殻(ヌケガラ)はいつまでも背中に残ってゐるので」
 
②中身のなくなったあとのもの。また、形式ばかりで内容のないもの。
*雑俳・柳多留‐三五〔1806〕「ぬけからも三国一の水たまり」
*湯葉〔1960〕〈芝木好子〉「寝床はぬけ殻であった」
 
③心が他に奪われてうつろな状態であること。正気を失ってぼんやりしている人。
*平家物語〔13C前〕七・聖主臨幸「汝等が魂は皆東国にこそあるらんに、ぬけから斗(ばかり)西国へめしぐすべき様なし」
*日葡辞書〔1603〜04〕「Nuqegara (ヌケガラ)〈訳〉魂のないからだ」
*夢の女〔1903〕〈永井荷風〉二二「抜殻(ヌケガラ)になった無感覚の身体は」
*硝子戸の中〔1915〕〈夏目漱石〉七「ただ漫然と魂の抜殻(ヌケガラ)のやうに生きてゐる未来を想像すると」
 
④「ぬけ(抜)(6)」に同じ。
*仮名草子・竹斎〔1621〜23〕上「先づ当世の嫌ひ物は、打著(うちきせ)連歌、噂付、一句のぬけから、遠輪廻(とをりんゑ)」
*咄本・私可多咄〔1671〕二・三「此句ははらみ句といふものか、但ぬけからといふ躰かととひければ」
*俳諧・西鶴大矢数〔1681〕跋「残る四十句は博奕わざ・喰物等、抜脱(ぬけがら)・こころ行の付かたとて其座に一人も聞えず」

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