さかずき【盃/杯】

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【数え方・単位】

一個(いっこ)、一口 (いっこう) 、一杯 (いっぱい) 、一盞 (いっさん)

【解説】

「口 (こう) 」は口の開いている器を数える語です。平面的な盃 (さかずき) は「枚」でも数えます。盃 (さかずき) に注いだ酒は「杯 (はい) 」で数えます。「盞」は盃 (さかずき) を表し、「一盞 (いっさん) を傾ける」のように使います。

【意味】

①酒を入れて飲むのに用いる小さなうつわ。陶磁器、漆器、金属器、ガラス器などいろいろの種類がある。かわらけ。ちょこ。ちょく。

*万葉集〔8C後〕五・八四〇「春柳蘰(かづら)に折りし梅の花誰か浮べし佐加豆岐(サカヅキ)の上(へ)に〈(氏未詳)彼方〉」
*十巻本和名類聚抄〔934頃〕四「盃盞 兼名苑云盃〈字亦作坏〉一名巵〈音支 佐賀都〉方言注云盞〈音産〉盃之最小者也」
*源氏物語〔1001〜14頃〕帚木「親聞きつけて、さかつきもて出でて、我が二つの道うたふを聞けとなん、聞えごち侍りしかど」
 
②酒席で、さかずきを差したり、受けたりすること。

*源氏物語〔1001〜14頃〕幻「導師のまかづるを、お前に召して、さか月など、常の作法よりもさし分かせ給ひて、ことに祿など賜はす」
*栄花物語〔1028〜92頃〕暮待つ星「又の日の御使は、資房の頭中将、上達部、殿上人参り集り、さかづきの程など、例の作法よりもめでたし」
*浮世草子・好色一代男〔1682〕四・一「折々は媚たる者の泊り合てならはしけるか、盃(さかつき)のまはりも覚、あいするといふ事もしるぞ」
 
③別離や約束を固めるときなどに、儀礼的に酒を飲みかわすこと。特に、夫婦、親子、兄弟、主従等の縁を固めるためにする酒宴。さかずきごと。かためのさかずき。→さかずきをする。

*虎明本狂言・眉目吉〔室町末〜近世初〕「あれへいたらば、さかづきのあいさつも心得てせうず」
*浮世草子・好色五人女〔1686〕三・四「都衆と縁組の事を母親語りければ、むくつげなる男も是をよろこび、〈略〉母は盃(サカツキ)の用意とて、塩目黒に口の欠たる酒徳利を取まはし」
*咄本・無事志有意〔1798〕けだ物「深川辺に山家屋といふ女郎やができ、客三人一座にて行ば、〈略〉どれも言分はないしろ物。盃がすんで床へまわる」
*怪談牡丹燈籠〔1884〕〈三遊亭円朝〉二「何だかこれでは御婚礼の三々九度(サカヅキ)の様で御座います」
 
④女陰をいう俗語。土器(かわらけ)。
*評判記・難波のは伊勢の白粉〔1683頃〕三「もと作りからそれしゃが手をしめてをいたほどに出来のわるからう筈もなし。盃(サカヅキ)はちいさめなれどとをって居まするほどに」

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