数え方・単位
一本(いっぽん)、一株 (ひとかぶ) 、一木 (いちぼく) 、一樹 (いちじゅ) 、一幹 (いっかん) 、一個(いっこ)、一輪 (いちりん) 、一房 (ひとふさ) 、一つ(ひとつ)、一枝 (ひとえだ) 、一枚 (いちまい) 、一片 (ひとひら) 、一片 (いっぺん) 、一朶 (いちだ)
解説
- 樹木を雅語的に数える「木」「樹」「幹」を用いることもあります。
- 桜のつぼみは「個」、個々の桜の花は「輪」「個」、数輪まとまっているものは「房」「つ」、花のついた枝は「枝」で数えます。
- 花びらは「枚」、散って風に舞う花びらは「片」で数えます。
- 「朶 (だ) 」は、木の枝が垂れ下がるという意味で、花や雲のかたまりを雅語的に数える語です。
- 花弁が幾重 (いくえ) にも重なっている桜は「八重 (やえ) 桜」といいます。
意味
- バラ科サクラ属のうちの一群。落葉高木または低木。北半球の温帯ないし暖帯に分布し、特に東アジアに多く、数十の野生種がある。花はふつう春に咲き、葉の展開に先だって開くことが多い。
- ①の木材。材質は緻密で、家具材・器具材・船材などに用いられる。江戸時代には版木としても用いられた。桜の木。
- 「さくら(桜)の皮」の略。
語源
「万葉集」に詠まれた例は少ないが、中古・王朝時代には盛んに詠まれるようになる。「花」といえば桜を意味するほど代表的な春の景物となり、「さくらを白雲によせ、ちる花をば雪にたぐへ」〔俊頼髄脳〕と見立てられる。なかでも、散る桜が多く詠まれ、人の心のうつろいやすさや世の無常の象徴となる。こうした散る花を愛でる感覚は、潔く散るイメージへとつながり、やがて武士道とも象徴的に結びついていく。