せみ/セミ【蝉】

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数え方(読み方)・単位

一匹(いっぴき)

解説

セミの抜け殻は「個」で数えます。

意味

①カメムシ(半翅)目セミ科に属する昆虫の総称。体はやや紡錘形で、頭部が太い。体長は翅端まで含めて二〜七センチメートル。はねは二対あり、透明または不透明の膜質で、飛ぶのに適する。とまるときははねを屋根形にたたむ。複眼は頭部の左右にはなれ、その間に三個の単眼をそなえる。触角は糸状で短く、あしは三対。口は長い管状で、樹木にさしこんで養分を吸収する。雄は腹部基部にある発音器で鳴く。鳴き声によっても種類が区別できる。雌は樹皮などに産卵。幼虫は土中で木の根の養分を吸って生活し、ふつう六、七年かかって成虫になる。ハルゼミ・ニイニイゼミ・アブラゼミ・ミンミンゼミ・クマゼミ・ヒグラシ・ツクツクホウシなど日本には約三二種が分布する。せび。《季・夏》 
 
*万葉集〔8C後〕一五・三六一七「石走る滝もとどろに鳴く蝉の声をし聞けば都し思ほゆ〈大石麻呂〉」
*古今和歌集〔905〜914〕恋一・五四三「あけたてばせみのをりはへなきくらし夜は蛍のもえこそわたれ〈よみ人しらず〉」
*源氏物語〔1001〜14頃〕常夏「曇りなき空の、西日になる程、せみの声なども、いと、くるしげに聞ゆれば」
*日葡辞書〔1603〜04〕「Xemiga (セミガ)ナク」
*俳諧・奥の細道〔1693〜94頃〕立石寺「閑さや岩にしみ入蝉の声」
*日本読本〔1887〕〈新保磐次〉四「今朝の朝顔の花は枯れ果てて、蝉の声さへ苦しげなるに」
 
②高所に物を引き上げるのに使われる小さい滑車。建築・土木・帆船などで用いられる。特に、和船では帆を上下する身縄をこれに通して作業を容易にする。大型船では身縄の元を船内のロクロで巻き、帆の上下以外に、碇・舵・伝馬船・荷物など重量物のあげおろしにも使う。蝉本(せみもと)。せび。
 
*皇太神宮年中行事〔1192〕贄海神事歌「我がや漕ぐ 一の帆筒の 瀬美(セミ)の上に 寿を千歳と云ふ 花の咲いたる」
*名語記〔1275〕六「船のほばしらのさきを せみとなづく、如何。蝉の形をつくりつけたればいふ也」
*義経記〔室町中か〕四・義経都落の事「『あの帆柱に上りて、薙鎌(ないかま)にてせみの綱を切れ』とぞ仰せられける」
*和漢船用集〔1766〕一一・用具之部「蝉(セミ) 〈略〉此蝉と云者は水縄を通し、帆を捲、碇をあけ、柁を巻、伝間、其外荷物を上下し」
*米欧回覧実記〔1877〕〈久米邦武〉二・二七「此起重器は、定滑車と活滑車と、輪軸との三にて組立たるものなり、滑車とは俗に所謂『セミ』是なり、之に死活の別あり」
*改正増補和英語林集成〔1886〕「Semi セミ 〈訳〉滑車」

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