数え方（読み方）・単位
一本（いっぽん）
解説
意味
①ある方向にまっすぐに進む線。また、ある二点を結ぶ線。
＊暦象新書〔１７９８〜１８０２〕中・上「一丸を取て其中に投ることあらば、是丸能一道の線路を守て、無窮に至ても、其向方と速力とを変ずることなかるべし」
＊男女交際論〔１８８６〕〈福沢諭吉〉「右の如く家に在ても面白からず戸外に出でても亦楽まず男女情交の線路は殆んど断絶して之を通ずるの方便なきものの如し」
②物事の進むすじみち。方向。
＊一年有半〔１９０１〕〈中江兆民〉附録・経済界「是等邪路の外、国家の真経綸に於て、別に坦々たる孔道の一線路有る可し」
＊黒谷の上人〔１９１１〕〈植村正久〉「彼は恵心僧都に拠り、尚ほ遠く溯れば善導和尚らの指示せる線路を辿り」
③鉄道の道すじ。鉄道の軌道。また、レール。レールウェー。
＊浪花新聞‐明治九年〔１８７６〕七月二八日「大坂西京間之汽車運転相開候に付〈略〉猥りに右線路へ立入間敷」
＊改正増補和英語林集成〔１８８６〕「Senro センロ 線路〈訳〉交通路の線、たとえば、鉄道の線」
＊内地雑居未来之夢〔１８８６〕〈坪内逍遙〉九「汽車が神田から来るところで線路（センロ）の通行がとまったので」
＊鉄道敷設法（明治二五年）〔１８９２〕一条「政府は帝国に必要なる鉄道を完成する為漸次予定の線路を調査し及敷設す」
④送電線・電信線など、屋外の有線電気回路。
＊新聞雑誌‐一六号・明治四年〔１８７１〕一〇月「今般東京より長崎まで伝信機を設けらる線路如左」
＊和英語林集成（再版）〔１８７２〕「Senro センロ 線路〈訳〉電信線または電信機関」
＊米欧回覧実記〔１８７７〕〈久米邦武〉一・一九「此会社の電線は、米国の東部にて、最も開けたる州州を、殆んど普く環通し、去年までの線路を総れば、五万六千英里に及び」
⑤「ゆうびんせんろ（郵便線路）」の略。
＊逓信史要〔１８９８〕〈逓信省編〉二・一・四「郵便線路は通常道路鉄道及水路の三種より成り〈略〉郵便物逓送の度数及其逓送速度の等級は線路の種類に従ひて之を定め」
⑥船舶が航行する道すじ。
＊逓信史要〔１８９８〕〈逓信省編〉三・四・一「航路を外国（一）内国（二）近海（三）平水（四）に種別し其第一種を内外国の諸港に航通し得べき線路」
