しゃしん【写真】

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数え方(読み方)・単位

①一枚 (いちまい) 、一葉 (いちよう) 、一齣 (ひとこま・ひとコマ)
②一点(いってん)
③一ポーズ(いちぽーず・わんぽーず・ひとぽーず)、一カット(いちかっと・わんかっと・ひとかっと)

解説

①通常は「枚」で数えますが、デジタルカメラで撮影した写真は「齣(コマ)」でも数えます。昔を思い出させる写真や貴重な写真は詩的に「葉」で数えることがあります。

②作品として扱う場合や記事の中で用いる写真は「点」で数えます。

③写真館や自動撮影機で撮影する場合、撮影数を「ポーズ」で数えることもあります。「カット」は風景写真など幅広く用いますが、「ポーズ」は人物や愛玩動物の写真に対して用いる傾向がある語です。例:「記念写真をツー{ポーズ|カット}撮影」

意味

①(─する)実際の様子をうつしとること。ありのままを描き出すこと。また、その像。写生。写実。

*随筆・西洋画談〔1799〕「扨彼西洋諸国の画法は、写真にして其法を異にす」
*洒落本・船頭深話〔1802〕「辰巳風俗当時流行写真 前後正横異様図」
*小説神髄〔1885〜86〕〈坪内逍遙〉上・小説の変遷「しかるをしひて写真(シャシン)を旨として、闘戦(たちまはり)にも情事(つやごと)にも、専ら真物の情態をばただありのままに演出せば」
 
②感光性物質の光化学的変化を利用して、物体の画像をつくる技術。また、その画像。一八三九年フランスのダゲールが発明。写真機のレンズを通した微量の光によってフィルム・乾板などの感光材料の上に潜像をつくらせ、これに現像・定着などの化学処理を施して陰画とし、さらにこれを印画紙に焼き付けて陽画を得る。

*随筆・嬉遊笑覧〔1830〕三「また写真の鏡あり」
*西国立志編〔1870〜71〕〈中村正直訳〉一・一七「始て影相(〈注〉シャシン)を金版に留むることを発明せし」
*春雨文庫〔1876〜82〕〈和田定節〉一九「渡辺吉太郎はお梅と二人で並び取りし写真(シャシン)と別々に取りたる写真(シャシン)を出し」
*浮雲〔1887〜89〕〈二葉亭四迷〉一・三「ちょいと其写真をお見せナ」
 
③(─する)(2)にうつること。また、(2)をうつすこと。
*航米日録〔1860〕三「其法大抵サントウヰスに異ならず、衆皆写真す、其間二時許り、予也の紋服を着す」
*風俗画報‐一五号〔1890〕掲示文「場中を写真(シャシン)し及び出品主の承諾を経ずして列品を模写すべからず」
 
④(「かつどうしゃしん(活動写真)」の略)映画。
*片恋〔1917〕〈芥川龍之介〉「活動へ行った晩に、何年ぶりかでその人が写真に出て来たぢゃありませんか」
*苦の世界〔1918〜21〕〈宇野浩二〉二・四「つづき物の写真を見てゐるので、そのつづきをぜひ見たいといふのであった」

語源

①「伊京集」に「写真(シャシン) 肖像 已上二ツハ御影」と記されているように、本来は神仏や貴人などを描いた絵を指していた。江戸時代後期に、西洋の画法が蘭学者によって紹介されてからは、ありのままに描くという技法すなわち「写生」の意味でも、またその技法で描かれた絵を指すこともあった。
 
②江戸時代末期にありのままの姿が機械によって写された画像が舶来し、英語photograph の訳語として、「写真」がこれに転用された。当初は「写真の絵」〔和英語林集成(初版)〕とか「写真絵」〔文明開化‐初・下〕、「照画」〔英和字彙(第二版)〕ということもあったが、次第に「写真」に統一され、意味もカメラによって撮影された画像を表わすことに固定された。
 
③変動詞も一時的に見られるが、写真を自分で撮影することではなく、写真にうつしてもらう場合が多い。このことは、カメラが普及するまでは、「写真を撮る」が写真にうつしてもらうという一義であったことと同様である。

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