す【巣】

《スポンサードリンク》
 

数え方(読み方)・単位

一個(いっこ)、一つ(ひとつ)

意味

①鳥獣や魚類、昆虫などがこもりすむ所。また、産卵したり、雛(ひな)や子を育てたりする所。

*日本書紀〔720〕皇極二年一一月(岩崎本平安中期訓)「百済の太子余豊、蜜蜂の房(ス)四枚を以て」
*万葉集〔8C後〕一四・三五二六「沼二つ通は鳥が栖(す)吾が心二(ふた)行くなもと勿(な)よ思(も)はりそね〈東歌〉」
*霊異記〔810〜824〕上・九「鷲、嬰児(みどりこ)を擒(と)り、西の方より来り、巣(ス)に落して〓(ひなのこ)に養(か)ふ。〈興福寺本訓釈 巣 須爾〉」
*蘇悉地羯羅経略疏寛平八年点〔896〕二「虫の巣(ス)有り」
*枕草子〔10C終〕一五五・むつかしげなるもの「ねずみの子の毛もまだ生ひぬを、すの中よりまろぼし出でたる」
*日葡辞書〔1603〜04〕「Suuo (スヲ) ハナルル。または、スダチヲ スル。〈略〉Suuo (スヲ) タツ。または、スバナレヲ スル」
*随筆・嬉遊笑覧〔1830〕一二下「巣は網の如き袋なり、俗にすかしたはらといふ」
*尋常小学読本〔1887〕〈文部省〉三「かく糸を出すは、まゆとよべる巣をつくるためなり」
 
②すむ所。住む家。すみか。住居。

*古事記〔712〕上「唯僕(あ)が住所(すみか)をば、天つ神の御子の天津日継知らしめす登陀流、天の御巣(す)如(な)す」
*日本書紀〔720〕神武即位前己未年三月(北野本室町時代訓)「巣(ス)に棲(す)み、穴住(あなすみ)し」
*多情仏心〔1922〜23〕〈里見〉裏切者・一二「実はその前から、僕は彼の女のために、或る小さな巣を用意してやりました」
 
③活動の本拠地。根城となる所。
*読本・南総里見八犬伝〔1814〜42〕一・四回「否、この城はわが巣(ス)なり。もしここを破られなば、何処(いずこ)へか還るべき」
*パリ物語〔1956〕〈河盛好蔵〉ある画家の話「レジェー、シャガール、モジリアーニなどがここに巣を構えていたのである」

語源

スム(栖・住)の義〔和句解・言元梯・言葉の根しらべ=鈴江潔子〕。スム(住)の語根スが名詞に転じた語。スは、物事の落ちつくさまを示す〔国語の語根とその分類=大島正健〕。

《スポンサードリンク》
 



数え方人気 [TOP50]ビジネス文書数え方
季節用語の数え方名数一覧(1~100)