すりこぎ【擂粉木/摺粉木/摺子木】

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数え方(読み方)・単位

一本(いっぽん)

解説

意味

①すりばちに入れた穀類などを、おしつぶしこすって粉状にするのに使用する先の丸い棒。大小あるが、一般には、直径五センチメートル、長さ三〇センチメートル程度のものが用いられ、山椒の木でつくったものがよいとされている。あたりぎ。すりぎ。すりこ。ますぎ。まわしぎ。めぐり。めぐりこぎ。連木(れんぎ)。
 
*薫集類抄〔1165頃か〕下「石のすりこぎなくは、柳の木のかれたるしてすりくだきて」
*東寺百合文書‐へ・寛正二年〔1461〕一二月三〇日・光明講方道具送文(大日本古文書三・一一一)「一 磨粉木」
*文明本節用集〔室町中〕「摺杵 スリコギ」
*日葡辞書〔1603〜04〕「Suricogui (スリコギ)〈訳〉ハチノミという方がまさる。乳鉢の乳棒」
*俳諧・其雪影〔1772〕「父上のお江戸詞(ことば)を笑ふ也 勝手の違ふ余所のすりこぎ」
*諸国風俗問状答〔19C前〕紀伊国和歌山風俗問状答・正月・一七「六日夕、七くさをはやすとて、まな板に芹、なづ菜、はこびら、仏の座、ごぎゃう、すずな、すずしろの七種を用ふべき筈のところを、二三種にて、火箸を置、摺子木にて、とうどのとりと、にほんのとりと、わたらぬさきに、ななくさなづなと云ひ、まな板をたたくなり」
*黒潮〔1902〜05〕〈徳富蘆花〉一・九・一「摺子木(スリコギ)持って荒れ出せと云ふのかい。いや大変な智恵をつけたものだ」
*吾輩は猫である〔1905〜06〕〈夏目漱石〉五「大根卸し、摺小木が並んで懸けてある傍らに火消壺丈が悄然と控えて居る」
 
②(味噌を①ですりつぶして作るところから)味噌汁をいう。
*浄瑠璃・今宮心中〔1711頃〕中「どれ脈を見ませふか〈略〉右の脈があたまがちなは、若しすりこ木など参らぬか、風気もなし点を致そふ」
 
③(頭をまるめたかたちが(1)の頭部に似ているところから)僧を軽蔑し、ののしっていう語。すりこぎ坊主。みそすり坊主。転じて、人を軽蔑しののしるのにも用いた。

*洒落本・傾城買二筋道〔1798〕夏の床「なんだ、此すりこぎめら。うぬらにぼちぼちのちゃきちゃきのと、鼠(ねずみ)が米櫃をかぢりはしめいし」
*洒落本・仲街艷談〔1799〕「くがいの身だと、気をよくすれば、ほうずもねへすりこきめ」
*雑俳・柳多留‐四六〔1808〕「編笠ですりこ木の来るせわしなさ」
*滑稽本・東海道中膝栗毛〔1802〜09〕三・上「ヱヱ此すりこ木め」

語源

「すりばち」とともに古くから用いられ、「山槐記‐治承三年一月六日」にも「摩粉木」とある。擂粉鉢─擂鉢という関係があるように、擂粉木を「研木 スリギ」〔易林本節用集〕という例もあるが、あまり普及しなかったと思われる。

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